<春よ光れ>’21センバツ・神戸国際大付/3止 秋に収穫、長打力磨く /兵庫
2020年10月19日、わかさスタジアム京都(京都市右京区)であった近畿大会1回戦の相手は、滋賀県予選2位の強豪・近江。チームを引っ張ったのは捕手の西川侑志主将(2年)だった。 県大会で好投した阪上翔也投手(同)は背番号「1」をつけて先発。三回裏1死三塁にボークで先制を許すと、西川主将はすぐにマウンドに駆けつけた。「俺たちが冷静になろう。自信を持って投げてこい」と声をかけ、落ち着かせた。 1-2で迎えた八回表、1死三塁の好機で4番の西川主将に打席が回った。「この試合は、自分が決める」。変化球をレフトに打ち返して同点とし、続く栗原琉晟選手(同)のスクイズなどで2点を追加し、勝ち越した。阪上投手は119球で完投、神戸国際大付としては、4年ぶりの近畿大会の勝利となった。 準々決勝は京都国際と対戦。先発の中辻優斗投手(1年)が一回2失点、二回から登板した加門虎太朗投手(2年)も4失点し、二回までで6点をリードされた。西川主将は選手をマウンドに集め、「落ち着いていこう」と励ました。 主導権は握られたが、チームは粘り強さを発揮した。加門投手は得意のストレートを使って持ち直し、三回から六回は無失点に抑えた。後を受けた岡田悠作投手(同)も得点を許さなかった。打線も奮起し、1点差まで追い上げた。 九回裏2死一、三塁、一打同点のチャンスも、7番の川西琉成選手(同)は2球目を打ち上げ、ライトフライでゲームセット。チームは8強で敗れた。 甲子園への道を断たれた3年生の思いを背負った新チームは接戦を競り勝ち、近畿大会でも力をみせた。4強入りはならなかったものの、西川主将は「着実に点を返せた。ミスしても選手同士で声をかけ合えた」と振り返る。選手たちは秋の収穫を糧に「序盤に長打力で圧倒するチーム」を目指し、今日も練習で汗を流している。【中田敦子】=おわり 〔神戸版〕