多くのシリアスランナーに愛される名機、NewBalance(ニューバランス)「860v2」が注目される理由
要所のディテールが時代の流行で切り取られてきた稀有な存在
“ダッドシューズ”の流行は昨今の“Y2K”トレンドまで、イナタいシューズのテンションがずっと続いているように思えるが、実はそうではない。元々の文脈が違うところを国井さんは指摘してくれた。しかし、「860v2」が支持されたからこそ、生まれたシューズもある。
「パリのファッションウィークで確固たる地位を築いた『860v2』でしたが、そのツーリングをベースに復刻されたのが『2002R』です。なぜ『2002』の後に“R”が付いたかというと厳密な復刻ではないから。“R”には“Re-Invention(リインベンション)という意味があるのです」 同じように、イナタいデザインが人気の「1906R」も、ニューバランスの名作品番のディテールをいいとこ取りしたハイブリッドモデル「90/60」も、「860v2」のツーリングがベースにあることは忘れてはならない。
「『860v2』に関しては、NY 発のストリートウエアレーベル『Aimé Leon Dore(エメ レオン ドレ)』とのコラボで覚えている人も多いかもしれませんが、パリのファッションウィークで頭角を現したのはノームコア全盛の時代。そこでもシンプルなスタイルに少しトガったデザインのシューズということで『860v2』は受け入れられました。 そこから“ダッドシューズ”の流行した時期も支持されていましたし、世の中が流れて“ゴープコア”から“Y2K”トレンドに移行しても『860v2』はなぜかハマっています。良くも悪くもオリジナル当時のイメージがないがゆえに、要所のディテールがその時代時代で切り取られて支持されてきたのは面白いと思いますね。ある意味、このタイミングで多様なニーズにおいて広範に対応できているシューズに昇華した感じはあります」
カラーやディテールなどトレンド感を凝縮したパッケージ
今回発売される「860v2」の新色は“THE MILKY WAY GALAXY”がテーマになっていて、地球から見える渦巻き銀河や、星々が形成する夜空がイメージカラーとなっている。この新色、そして今後の「860v2」に関しても国井さんはこう分析する。 「みんなが『860v2』に求めているシャイニーなパーツとオープンメッシュの素材感を生かしながら、今のムード感があるコンセプトやカラーを踏襲して、ユーザーが求めているものにトレンド感を足したパッケージになっています。