41歳の冨永愛がたどりついた“わりと幸せ”な境地「自分の人生を誰かのせいにはしない」
一人だけ尊敬する人をあげるなら
――美も健康も、毎日の積み重ねが大事なのですね。そんな冨永さんに憧れている人も多いと思いますが、冨永さんご自身が憧れている方や目指している方はいらっしゃるのでしょうか。 尊敬する方はたくさんいますが、憧れの人は昔からいません。 これは「モデル」という職業柄かもしれませんが、モデルってまわりが全員ライバルなので、憧れていたら永遠にその人を超えられないんですよ。もちろん、「素敵だな」と思う人はたくさんいましたが、憧れるとか目指すというふうにならなかったのは、そういうことだからかなと思っています。 でも、もし一人だけ誰か尊敬する人をあげろと言われたら、私は迷わず「母」と答えます。ひとり親で私たちを育ててくれた母については、書籍でもたくさん書いたので、読んでいただけたら嬉しいです。 ――本書にはたくさんのパワーワードも登場します。冨永さんがこれまでに出会った言葉のなかで、大事にされている言葉があれば教えてください。 「チャンスをつかめる自分であれ」という言葉です。 17歳ではじめて海外のショーに出はじめた頃、何かの付録の雑誌でみつけた「名言集」のなかのひと言だったんですけど、ひとりで世界に出て行く自分へのエールのように思えて、パスポートに挟んでずっと大事に持っていました。 でも先日ふと思い出してその付録を見返したら、「チャンスをつかめる自分であれ」とは書いてなかったんです。似たようなニュアンスではあったのですが、勝手に自分で解釈して「名言」を創り出していたみたいなんです。言葉のインパクトって面白いなあと思いました。 いまもその言葉は大事にしていますが、41歳のいま、一番大事にしている言葉は何かと聞かれたら、「自分の人生を誰かのせいにはしない」ということかもしれません。これは息子にも口を酸っぱくして言っています。 もがきながら、悩みながら、自分が求める人生を自分自身で選びながら、生きたいように生きていく。これからもそうやって生きながら、100歳になってもランウェイを歩ける私でいられるよう、頑張っていきたいと思います。
相澤洋美