今年だけでG1・19勝…ライアン・ムーアが燃える「オーギュストロダンでいい結果を出せれば」
英国のトップジョッキー、ライアン・ムーア騎手(41)が短期免許取得のため、7日に美浦トレセンのJRA事務所を訪れた。 手続きを終え、黒のジャケットを羽織った姿で登場し、記者の取材に答えた。同騎手はエリザベス女王杯(G1、芝2200メートル、10日=京都)でサリエラ(牝5、国枝)、マイルCS(G1、芝1600メートル、17日=京都)ではマイルG1を3勝している今年の欧州最強マイラー、英国のチャリン(牡4、R・ヴェリアン)に、そしてジャパンC(G1、芝2400メートル、24日=東京)では23年の英ダービー、同BCターフなどG1を6勝したアイルランドのディープインパクト産駒オーギュストロダン(牡4、A・オブライエン)と歴史的な勝利を狙う。 ムーア騎手はオーギュストロダンについては「彼の来日を楽しみにしていた。ヨーロッパやアメリカなどでG1を6勝していて能力はありますが、日本に来るのはアウェイだし、2400メートルは地元の日本馬が強いので、大きなチャレンジになる。ディープインパクト産駒で日本の競馬ファンもよく分かっていると思う。応援してくれるでしょうね。今の予定ではラストランだし、いい結果を出せれば」と期待を隠さない。 チャリンについては「この馬も今年G1を3つ勝っていて素晴らしいシーズンを送っている。エキサイティングな挑戦です」。 オーギュストロダンと同じディープインパクト産駒のサリエラは「前2走を見ればステップアップが必要だが、スタミナはありそうだし、2200メートルは問題ないと思う」と期待を寄せた。 先日、米国デルマー競馬場のBC開催は期待されたBCクラシックのシティオブトロイは惨敗に終わったものの、前日のBCジュベナイルターフをアンリマティス、BCジュベナイルフィリーズターフをレイクヴィクトリアで勝利した。シティオブトロイ、オーギュストロダン、ルクセンブルク、ロスアンゼルス、キプリオスなど多くの馬をG1制覇に導き、今年だけでG1・19勝。8月のモルニ賞では自身のG1通算200勝を達成している。 気づけば、今シーズンの「ロンジン・ワールド・ベストジョッキー」のランキングでもジェームズ・マクドナルドを逆転し、首位。自身5度目のタイトル獲得が有力となっている。上機嫌で取材に応じたライアン・ムーア騎手。今回の短期免許期間もその手綱さばきで日本の競馬ファンを魅了してくれそうだ。【舟元祐二】