元宝塚娘役トップ・咲妃みゆさん「いろんな色にも染まってみたい。どんな出会いにもワクワクします」|美ST
―退団後、舞台に立つことへの気持ちに変化はありましたか?
咲妃:より好きになりました。そしてより難しい仕事とも感じます。正解がないですから。順風満帆と思われることが多かったのですが、向いてないかもと落ち込んでは自分を奮い立たせての繰り返し。今は向かうべき壁のおかげで凝り固まっていたものを打ち壊してもらえて感謝していますし、いろんな色に染まってみたいと思っています。素敵な出会いがありすぎて、もう目が足りないくらい!
―心からチャレンジを楽しんでいる感じが伝わってきます。
咲妃:コロナ禍を経て、やりたいと思ったらすぐにやる!という気持ちが加速して、一昨年に運転免許を取ったんです。すでに1万キロ以上走りました。次は九州の実家まで車で帰りたいと思っています。
―最後に咲妃さんにとって「美しく生きる」とは?
咲妃:「自分が自分を好きでいること」。長所も短所もまずは自分で認めることが美への近道。そう思うようになって意外な可能性に気付けるようになりました。宝塚は群像美の世界でもあり、その中で時々突出してしまう個性に悩んだり、娘役の理想像に縛られて体調を崩したこともありましたが、今は本名の自分との中間地点を探れるようになりました。できないことがあっても、変わってると言われても、それが私。そう思えるようになって、プライベートも仕事もいっそう楽しめるようになった気がしています。
自分のことを決めつけない。秘めた可能性に気付くために
自分の可能性をもっと広げるために、周りにもSOSを出すことにしました。知識を授かることでやりたいことが見えてきたり。昔よりも自分のことが好きになりました。
サーカス仕立ての音楽劇に挑戦!
別役実の傑作童話数作をひとつにまとめた音楽劇で咲妃さんは主人公キキを演じる。「台本を読んで不思議な世界観の虜になりました。すべてのキャストが個性的でサーカスのパフォーマンスも。また新たなチャレンジです」。『空中ブランコのりのキキ』8/6~18:世田谷パブリックシアター 8/31:アクリエひめじ 写真(C)磯部昭子 《衣装クレジット》 カーディガン¥4,950〈ヴァカンシー〉スカート¥7,090〈エーアイシー〉(ともにアンティローザ)イヤリング、靴/スタイリスト私物 2024年『美ST』9月号掲載 撮影/SHITOMICHI(SEPTEM) ヘア・メイク/栗原里美(ThreePEACE) スタイリスト/津野真吾(impiger) 取材/稲益智恵子 再構成/Bravoworks,Inc.