「ラーメンは苦手」尊富士の身体を作った、“たらの子あえ”に“鮫のすぐめ”おばあちゃんのチカラ飯
苦手なものはラーメン!? 愛され尊富士
尊富士の弱点も聞いてみた。 「苦手なのはラーメン。何でも食べるのにラーメンだけは食べなかった(笑)」 東京の錦糸町駅に近い伊勢ヶ濱部屋の周辺では、よく飲食店に出入りしていた。 「尊富士さんは、何度か先輩の弁当を買いにおつかいで来ていました。でも、下積み時代はすぐに終わって、今はもう来ていないですね。力士は寡黙な人が多いけれど、彼はニコニコしていて、人当たりがいいですよ」(部屋近くの弁当店店員) 気さくな人柄で評判がいい。 「ニコニコして、よく話すし、どんどん注文して、たくさん食べてくれましたよ。ほかの入ったばかりの人はおとなしいから、彼は印象に残っています」(お好み焼き店店員) 伊勢ヶ濱部屋のある町内会の会長、松島憲二さんも、尊富士の人当たりのよさを褒める。 「愛想がいいし、素直なんです。先輩から言われたことをプラスに受け取るのがいい。 先場所で十両優勝したときは、近所の一軒一軒に顔を出してね。周りから好かれなきゃダメだと私も言っているんです。稽古ではバシバシ音を立てるわけだから、近所から嫌われたらダメだって」 愛されキャラの尊富士だが、気がかりなことも。 「体格のわりに足首が細くて心配でした。親方も無理はさせたくないようでしたが、痛み止めを打って勝ったからね。人がいいだけじゃなくて、鬼にもなれる。これから研究されて壁にぶち当たることもあるでしょうが、彼ならまだまだやれるでしょう」(松島さん) 尊富士は高校・大学時代にアキレス腱断裂などのケガが多く、思うように活躍できなかった。でも、松島さんの妻である町内会長夫人は、尊富士の前途を楽観している。 「部屋に来ているマッサージ師さんが言っていたんだけど、彼の身体は全身がバネだって。あと、部屋のおかみさんは決断力があるし、人をよく見ている。どんな若手でもよく見ていて“頑張ったね”“もう少しだね”って声をかけて。全員の誕生日を把握して、ねぎらいの言葉と一緒にプレゼントを渡すんだって」