お札のデザインが変わるのはどのようなとき? 偽札対策になっているって本当?
お札のデザインが変わることは、私たちの日常生活において時折見られますが、その理由について詳しく考えたことがあるでしょうか。実は、お札のデザインが刷新される背景には、重要な理由が隠されています。その主な目的の1つは、偽札の防止です。今回は、お札のデザインが変わる理由や、偽札対策の最新技術についてご紹介します。 ▼実家の物置で「鳳凰」の描かれた100円玉を発見! 昔のお金は今も使える? 高く売れる場合もあるの?
お札のデザインが変わる理由
お札のデザインが変わる理由は、主に偽造防止と使いやすさの向上のためです。偽造されたお金が広く出回ると、国民はお金を信用できなくなり、場合によっては被害を受ける恐れがあります。このため、紙幣は概ね20年ごとに偽造防止技術やデザインを変更しています。 2004年の発行では、5000円札の肖像は「新渡戸稲造」から「樋口一葉」へ、1000札は「夏目漱石」から「野口英世」へ変更されました。ただし、1万円札の肖像は、40年間変わらず「福沢諭吉」です。 2004年から使われている紙幣は2024年で20年が経過します。その間に民間の印刷技術が大幅に進歩しています。また、目の不自由な方や外国人にも使いやすいユニバーサルデザインが世界的な潮流です。これらを踏まえ、1万円券、5000円券、1000円券のデザインを改訂することが2019年4月9日に発表されました。 2024年7月3日に新しいお札が発行され1万円札「渋沢栄一」、5000円札「津田梅子」、1000円札「北里柴三郎」が発行されました。500円硬貨も2000年の発行開始から約20年が経過しているため、紙幣のデザイン改訂に合わせて、偽造防止技術を強化するために改鋳されることとなっています。
偽札対策の最新技術
お金には偽造防止のため、以下の技術が使用されています。 すき入れ:光に透かすと、肖像などの図柄が浮かび上がります。 すき入れバーパターン:光に透かすと、3本の縦棒が見えます。 パールインキ:お札を傾けると、ピンク色を帯びたパール光沢のある半透明な模様が現れます。 マイクロ文字:コピーでは再現が難しい微細な文字が印刷されています。 深凹版印刷:インキが高く盛り上がっており、手で触るとザラザラした感触があります。 潜像模様:お札を傾けると、見る角度によって数字が見え隠れします。 ホログラム:傾けると、画像の色や模様が変化して見えます。