「16時間断食のデメリット」無理なく克服する方法、脂肪のほかに「燃やされてしまうもの」を補うのがポイント
オートファジーとは、「細胞内の古くなったタンパク質が、新しく作り替えられる」というもの。オートファジーが活性化すると、体が、内側から若々しく蘇ります。 空腹の時間を作るだけで、メタボリックスイッチが入り、オートファジーが活性化します。でも、いきなり毎日16時間も食べない時間を作るのは難しいという人もいますよね。そんな人は、週に一度でもかまいません。 無理のない範囲から始めてみてください。空腹の時間を作ることで、食べすぎがもたらす害が取り除かれ、加齢や食生活によるダメージがリセットされるのが実感できると思います。
「16時間断食」にはメタボリックスイッチやオートファジーといった、もともと私たちの体に備わっている仕組みを利用して行う食事法ですが、もちろんデメリットもあります。それは、筋力が落ちてしまうこと。 外部(食べもの)からエネルギーが入ってこなくなると、体は、脂肪だけでなく、筋肉をも燃やしてエネルギーに変えようとするため、必要な筋肉も落ちてしまうのです。 ■筋力低下のデメリットは、簡単な筋トレでフォロー
筋肉量が減少すると基礎代謝量が減るので、かえって太りやすい体質になってしまいます。特に高齢者の方は、体を支えるのも難しくなってしまう可能性があり、非常に危険です。せっかく健康のために空腹の時間を作っても、これでは逆効果です。 だから、「16時間断食」を行う際には、必ず、簡単な筋トレを行ってください。 ただ、「筋トレ」といっても、特別なことをする必要はありません。「階段を上り下りする」「腕立て伏せや腹筋、スクワットを、できる回数だけやる」といった生活の中でできる程度の運動で十分です。過度の運動は、かえって活性酸素を発生させる原因にもなります。
例えば、階段の上り下りも、日常生活の中でできる立派な有酸素運動です。体重60キロの人が20分程度、ゆっくりと階段の上り下りをすると、約100キロカロリー消費するといわれています。これは、体重60キロの人が12分程度、ジョギングを行った場合の消費カロリーに匹敵します。 実際、私も、日々この食事法と並行してトレーニングを行っていますが、その内容は「朝、腕立て伏せと腹筋をやり、しんどくなったらやめる」というものです。
空腹の時間を作るのも、並行してやるトレーニングも、とにかく「無理のない範囲でやる」ことを心がけましょう。
青木 厚 :医師