「16時間断食のデメリット」無理なく克服する方法、脂肪のほかに「燃やされてしまうもの」を補うのがポイント
・同時に、腸内環境も改善される。 1日3食で常にお腹が満たされていると、体はブドウ糖代謝しか行わず、ケトン体代謝に切り替わるスキがないということになります。 ■細胞そのものが膨れ上がる、脂肪細胞の厄介な性質 ケトン体代謝で分解される中性脂肪は、脂肪細胞に蓄えられるのですが、この脂肪細胞が実に厄介な性質を持っています。 もちろん脂肪細胞は、私たちが生きていくうえで欠かせない働きをしています。エネルギーを貯蔵して体温を維持したり、善玉ホルモンや胆汁の原料になったり、各種ビタミンの吸収を助けたりします。
先ほど述べたように、エネルギーは、まず筋肉や肝臓に蓄えられます。しかし、貯蔵スペースに限りがあり、あまりたくさん蓄えることができません。 すると体は、筋肉や肝臓にも入りきらなかった余分なエネルギーを中性脂肪に変え、脂肪細胞に蓄えようとするのですが、ここで、脂肪細胞が厄介な性質を発揮します。 脂肪細胞は柔軟性が高く、中性脂肪を取り込んで、もとの数倍の大きさにまで膨れ上がることができるのです。これが、いわゆる「脂肪がつく」「脂肪が増える」という状態です。ほとんど無限に容量を増やすことができるのは、人体の中では脂肪細胞だけです。
そのうえ、先ほど述べたように、メタボリックスイッチが入って脂肪細胞に蓄えられた中性脂肪がエネルギー源として使われるようになるまでには時間がかかります。体が飢餓状態にならないと、ブドウ糖代謝からケトン体代謝に切り替わりません。 特に減量目的で「16時間断食」を行う場合は、脂肪細胞の性質を知ったうえで、メタボリックスイッチが入ることをイメージしてみてください。「空腹の時間」をやり過ごすためのモチベーションが高まるのではないでしょうか。
■「オートファジー」の活性化で体が内側から蘇る 「16時間断食」の最大の効能は、最後にものを食べてから10~12時間ほどたつとメタボリックスイッチが入り、脂肪が分解されエネルギーとして使われるようになることです。そして、16時間を超え、細胞が飢餓状態や低酸素状態に陥ると、「オートファジー」の機能が活発に働き始めます。 メタボリックスイッチを入れるだけなら16時間も断食する必要ありません。けれども、私が16時間という時間にこだわるのは、オートファジーを活性化させたいから。それほどオートファジーがもたらす効果は大きいのです。