サイドバックの役割は激変した バイエルンで“ペップ流”を体感したラームが語る変化
かなり難しいポジションに
ここ最近のサッカー界で最も変化があったポジションといえば、サイドバックだろう。過去には地味なポジションとの印象もあったかもしれないが、現代ではサイドバックの完成度がチームの命運を握るといったケースも増えてきた。 これはマンチェスター・シティ指揮官ジョゼップ・グアルディオラの手腕によるところも大きいだろう。サイドバックを中へ絞らせたり、グアルディオラは新たな戦術を次々と打ち出してきた。 バイエルン時代にそれを経験した元ドイツ代表DFフィリップ・ラームも、サイドバックの役割が大きく変わったと語る。現在アーセナルを指揮するミケル・アルテタも同様のアプローチを取っているが、ラームはアーセナルの戦いも好んで見ているようだ。 「攻撃面では、以前はタッチラインからクロスを放り込むことがすべてだった。しかしジョゼップ・グアルディオラなどの監督の影響により、この立場は徐々に変化してきている。サイドバックの役割はより多様になり、チームにとってもより大きな影響力を持つようになった」 「私はアーセナルのジンチェンコのことも好きだよ。彼はトップパフォーマーであり、アルテタからの強い要望を受けている。興味深いことに、アルテタもグアルディオラと同じスペインの監督だよね。スペイン人監督は他国よりも先を行っていると思う。彼らには明確な哲学があるんだ」 アーセナルでは左サイドバックに入るジンチェンコが偽サイドバックの役割を担っており、アルテタも細部までこだわるタイプの指揮官だ。今では偽サイドバックも見慣れた戦術プランとなってきたが、ラームの指摘通りビルドアップに工夫を施す点はスペイン人監督に見られる共通点なのかもしれない。
構成/ザ・ワールド編集部