広島・九里がFA宣言! 8年連続100イニング以上の鉄腕が重大決断 12日にも表明
広島・九里亜蓮投手(33)が保有する海外、国内フリーエジェント(FA)権を行使する意向を固めたことが11日、分かった。球団には既に意思を伝えており、きょう12日にも正式に表明する。8年連続で100イニング超の登板を重ねてきた故障知らずの鉄腕には、DeNAなど複数の国内球団が興味を示しているといわれ、メジャー挑戦を含めて去就が注目される。 【写真あり】広島 右の大砲モンテロ獲得 メジャー通算21発 九里はこの日午前にマツダスタジアムを訪れ、ウエートトレーニングなどに約2時間汗を流した。注目の去就について、帰途に就く際には「ある程度は固まってきた」と話すにとどめ、結論は口にしなかった。だが、既に権利を行使する意向を固め、球団にも伝えていることが判明した。 国内FA権を取得した21年は権利を行使せず、新たに3年契約を結んで残留。昨年7月に海外FA権を取得した際には「向こうの野球に興味はある。そこまでのレベルに達していたら」とし、将来的な移籍に含みを持たせていた。契約最終年を迎えた今季。異環境への挑戦と広島への愛着に心は揺れ動いた。 球団からは、一貫して残留を求められている。10月に入って話し合いを重ね、1回目の交渉で条件提示を受けた。「年齢的に最後のチャンス。海外、国内(移籍、残留)を含めてしっかり考えたい。残ったら最後までやるでしょうし、そうでなければ挑戦していくことになる」とし、熟考を重ねてきた。 岡山理大付から亜大を経て、13年ドラフト2位で広島入団。多彩な変化球と粘り強い投球に定評があり、21年には自己最多の13勝(9敗)を挙げて、最多賞の初タイトルを獲得した。昨季はリーグトップの174回1/3を投げて防御率2・53をマーク、チームの5年ぶりとなるAクラス入りにも貢献した。 3年契約の最終年となった今季は、11年目にして自身初の開幕投手を勝ち取り、登板23試合で7勝10敗、防御率3・21。17年から8年連続で100イニングを超える登板を重ね、通算71勝(67敗)をマークするタフな鉄腕を巡っては、DeNAなど国内の複数球団が興味を示しているとされる。 かねて「僕一人のことじゃない。家族のこともあるので、しっかり話し合いながら」と口にしてきた。プロ野球人としての本能、欲求と、11年間在籍するチームへの愛着のはざまで揺れ動き、岐路に立つ33歳。FA権を行使し、熟慮の末に下す決断を待とう。 (江尾 卓也) ◇九里 亜蓮(くり・あれん)1991年(平3)9月1日生まれ、鳥取県出身の33歳。岡山理大付では甲子園出場なし。亜大では2年春から東都リーグで登板し通算19勝。4年時は春秋連続でMVPを獲得し、秋は明治神宮大会優勝。13年ドラフト2位で広島入団。先発と救援の両方をこなし、16~18年のリーグ3連覇に貢献。21年に最多勝のタイトル獲得。1メートル88、97キロ。右投げ右打ち。