「人と自然と物がつながる」彫刻家青木野枝さんの新作、兵庫県立美術館で1月公開へ 震災30年、新たなシンボルに
兵庫県立美術館(神戸市中央区脇浜海岸通1)で彫刻家青木野枝さんの新作の設置が進んでいる。13日には、近くの渚中学校の美術部員14人が作業を見学し、世界の第一線で活躍する美術家の感性に触れた。作品は阪神・淡路大震災から30年となる2025年1月、同館の新たなシンボルとしてお披露目される。 【写真】制作中の青木野枝さん(左)の作品を見学する中学生たち 青木さんは1958年、東京生まれ。武蔵野美術大学、同大学院で彫刻を学び、80年代から鉄を扱う作品を発表してきた。素材の重厚さを感じさせない作風が高く評価され、男性作家が多い彫刻界で、第一線を走り続けている。 同館がある一帯にはかつて、製鉄所があったこともあり、鉄で作品をつくる青木さんに依頼。公益財団法人伊藤文化財団が発注し、館に寄贈する。 設置する屋外4階の「風のデッキ」について青木さんは「山と海がつながる神戸らしい一番いい場所をもらった」といい、「人と自然と物が作品でつながるようにと制作している」。さらに「95年を境に世界が変わった。あの時は何もできなかったが、今やっと別の形で貢献でき、光栄」と語った。 見学した渚中2年の生徒は「特別に制作過程が見られてうれしい。完成したらスケッチしたい」と喜んでいた。 2025年1月10日に除幕式があり、同11日午後2時から林洋子・県立美術館長と青木さんとの対談も。同館(TEL078・262・1011)のホームページから事前に申し込む。 (津田和納)