日立建機の超大型油圧ショベル向け運転支援システム、豪リオティントのピルバラ鉱山で実証試験
日立建機は4日、超大型油圧ショベルの運転支援システムを開発し、3月下旬から資源メジャーのリオティントが操業する鉱山で実証試験を行うと発表した。掘削や積み込み作業をアシストしオペレーターの負担や燃費の低減を図るもので、1カ月ほど実証を行い2025年の実用化を目指す。 試験は西オーストラリア州ピルバラの鉄鉱石鉱山で実施し、日立建機がリオへ納めた360トン級の超大型油圧ショベル「EX3600―7」に同システムを後付けする形で行う。 鉱山で堅い土砂を掘る際は油圧シリンダーやバケットに負荷がかかり、一定以上になるとフロントアタッチメントが停まる作業ロスや燃料消費の増大が生じる。熟練のオペレーターはアタッチメントの動きや油圧回路から生じる音・振動から掘りやすい場所を見抜いていたが、日立建機が開発した掘削アシスト機能は経験が浅いオペレーターでも自動でシリンダー負荷が低くなる操作を自動で行える。 また超大型油圧ショベルの旋回時に周囲のダンプトラックや構造物に衝突しないよう複合的な操作が求められる。日立建機の積み込みアシスト機能では、軌道をラーニングし自動でアタッチメントを上げる操作が行われ、オペレーターが旋回操作に集中でき負荷低減や安全性向上につながる。バケットの積載量などを可視化した専用モニターでダンプトラックへ重量バランスのとれた積み込みもしやすくした。 日立建機はリオに100台以上の鉱山機械を納入している大口顧客で、昨年8月からは鋼材を加工し造られるブームとアームの耐久性を検証する実証試験も行っている。