グロース氏、ゲームストップ株オプション売り-ミーム熱から利益狙う
(ブルームバーグ): かつて「債券王」として知られたビル・グロース氏は、「オプション王」になりつつあるのだろうか。
グロース氏は、個人投資家のお気に入り銘柄である「ミーム株」のオプション売りを習慣にしており、最近の取引の中心はゲームストップとAMCエンターテインメント・ホールディングスだ。伝説的な投資家である同氏は、ミーム株熱狂の申し子とも言える両銘柄のコール(買う権利)とプット(売る権利)を売ったことを明らかにした。
ゲームストップ株はここ2営業日で179%急騰し、AMC株は135%上昇。グロース氏はソーシャルメディア「X(旧ツイッター)」への投稿で、ゲームストック株とその急伸を意味する「Gamestonk(ゲームストンク)」について、時代遅れだと評し、「買いか、売りか?私はどちらでもない」とした。
グロース氏の取引は「ストラドル」として知られ、ゲームストップ株の40ドルのコールとプットを売り、株価がどちらの方向にもあまり大きく振れないことに賭ける戦略だ。同氏がこれらオプションの組み合わせの売りで受け取ったプレミアムは22ドル。週末の取引終了時に18ドルから62ドルになれば利益を得ることが可能で、40ドル近辺で終われば最大の利益を獲得できる。同氏はAMCについても同様の戦略を取っており、10ドルのストラドルを売っている。
14日の米株式市場でゲームストップ株は64.83ドルまで上げた後、48.75ドルで終了。AMC株は11.88ドルで始まった後、6.85ドルで引けた。
グロース氏は約7週間前、トランプ前大統領のメディア企業、トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループの株式のオプションを売っていた。同氏は当時、トランプ・メディア株が45ドルから95ドルの間で推移することに賭けていた。その数週間後に株価は22.55ドルまで下落したが、14日の取引終了時点では53.40ドルまで上昇。グロース氏は、このポジションから手を引いているという。