個人情報を守りながら生成AIに自分のことを知ってもらうには (横須賀輝尚 経営コンサルタント)
■なんでも回答してくれる、万能のMyAIは作れる?
安心して生成AIに自分の情報を入れ込めるとなると、あなたの性格や趣味をよく知り、自分専用にカスタマイズされたGPTsである、「MyAI」を作りたくなってきますよね。そこで 「ジャンルごとにわけずに、あらゆる自分の情報を詰め込んで、自分にとっての完璧・万能なMyAIは作れないのか?」 という疑問を持つ方も居るかもしれませんので、解説しておきます。 これは可能か不可能かで言えば、できないことはないです。しかし、あまりお勧めしません。なぜなら、あらゆる情報を入れてしまうと、あらゆる角度から回答やアドバイスが来てしまうからです。 たとえば、あなたのあらゆる情報を入れた、パーフェクトなMyAIを作ったとしましょう。そしてそのMyAIに、ある日転職の相談をしてみたとします。すると、あなたの趣味を知っているMyAIは、あなたの趣味を通じての気分転換を進めてきます……もちろん、それが悪いわけではないのですが、目的達成までの道のりはブレてしまいます。転職について考えているのであれば、転職に特化した回答をしてほしいですよね。 ほかにも、「ビジネスの企画の相談をしたら、趣味を生かしての提案をしてくる」など、非現実的になる確率が高いアイディアが出てしまうこともあります。もちろんあくまでアイディアなのでそういう発想は必要かもしれませんし、趣味からの企画実現の可能性もゼロではないのですが、回答としてはややズレているわけです。 情報がありすぎると、やはり生成AIは優先順位に悩んでしまいます。あなたも誰かの相談に乗るときに、ありとあらゆる問題や関係のない情報を持ち込まれても困るでしょう。基本的には、仕事上の悩みは仕事上の悩み。趣味の話はあくまで趣味の話。分けて構成した方が、生成AIも悩まないのです。 横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士
【プロフィール】
1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ2,000人以上が参加。著書に『プロが教える潰れる会社のシグナル』(さくら舎)、『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、他多数。