「スーパーサブのおまえもレギュラーだ」巨人・増田大輝の胸にある言葉は・・・先輩から受け継がれてきた言葉
◇プロ野球セ・リーグ 巨人8ー1広島(28日、マツダスタジアム) 6回の守備からライトに入った巨人の増田大輝選手。7回の初打席では左中間を割る2塁打を放ち、6点目をあげました。さらに、9回にもレフトへのタイムリーで1打点とこの日は2打数2安打2打点の活躍を見せました。 今季は守備でも雨の甲子園で阪神の近本光司選手の打球を狙い通りのゲッツーに仕留めたり、バントを確実に決めたり、代走で出場したり、いわゆる”スーパーサブ”としての役割を担っています。スーパーサブと呼ばれることに対してどう思うか、と聞くと、「う~ん」と少し悩んだような様子の増田選手。 「それはやっぱり野球選手、誰もがレギュラーになりたいという思いはあると思う。たった一回の野球人生なんで、なりたいのはなりたいですけど・・・」 今季は2軍スタートで悔しい思いをしましたが、腐ることなく、2軍でやるべきことをやり、5月3日に1軍登録。そのまま抹消されることなく、ここまでに39試合に出場しています。ことしこそ、レギュラーになりたい、そう思っていた増田選手にシーズン半ばの6月、あるコーチがこんな言葉を口にしました。 「スーパーサブのおまえもレギュラーだ」 それは外野守備と走塁を担当する亀井善行コーチでした。 「『おまえの気持ちもわかる。モチベーションを保つのって難しいよな。でも、スーパーサブのおまえもレギュラーなんやで。スーパーサブのレギュラーなんだから、それくらい自信をもってやったほうがいい。オレもそのつもりで(現役時代は)やっていた』って。そう言われて、その言葉のおかげで、自分の中で頑張れている。そこは亀井さんに感謝です」
■「サブにも輝ける場所はある」亀井コーチが現役時代にもらった言葉「黒子でやれ」
この言葉について亀井コーチに聞くと、「だってそうでしょ?ああいうサブ的というか、スペシャリストがいないと、チームが成り立たないじゃないですか」と口にしました。 「僕もね、現役時代はレギュラー狙って、毎年やってたんです。でも、ケガが多くてね」 レギュラーとしての座を確固たるものにすることができなかった亀井コーチ。その亀井コーチに声をかけたのが、「史上最高のユーティリティープレーヤー」として名をはせた木村拓也さんでした。 「『黒子でやれ』とか『サブにも輝ける場所はある』とかね。あの人の言葉で僕もやってこれたんです」 レギュラーがいて、その力を補うスペシャリストがいる。巨人のベンチを守る選手にはこうした精神が根付いています。