お薦めの本について、投稿するビル・ゲイツ。本人公式Instagramより。

マイクロソフト社の共同創業者・ビル・ゲイツが、この1年で読んだお気に入りの本のリスト「2023年冬に読むべき本」を発表。毎年おおよそ50冊の本を読む読書家で、定期的に季節ごとのお気に入りの本を推薦するリストを発表している。2023年のリストを書き始めたとき「すぐに思い浮かんだ」というビル・ゲイツは、3冊のノンフィクションをピックアップ。今回は、彼の友人や家族に勧めているという、お薦めの経済学オンラインコースと、ホリデーをテーマにしたSpotifyのプレイリストも紹介。 【写真・動画】ビル・ゲイツからのクリスマスプレゼントをチェック

1.『The Song of the Cell』（翻訳：細胞生命と医療の年代記 上 ・下）／シッダールタ・ムカルジー著

腫瘍学者であり、ピューリッツァー賞受賞作家でもある作家であるムカルジー氏の最新作。すべての生物を構成する細胞について書かれている。 ビル・ゲイツはこの本について「誰もがいつかは病気になる。その時になにが起きているかを理解し、楽観的になるためには生命の構成要素である細胞について知っておくべきことが役立つ」と綴っている。

2.『Not the End of the World』／ハンナ・リッチー著

オックスフォード大学のデータ科学者で環境活動家のハンナ・リッチーの著作。もともと私たちは“人類の最も悲劇的な時代”を生きていると考えていた彼女。しかし、様々なデータを見ると、遠い過去よりも状況は悪化しているが、事実上すべての指標において良くなっていることに気づいたそう。 ビル・ゲイツは「気候変動について十分な情報を得た上で会話をしたい人は、この本を読むべきだ」といいます。家族、親戚が集まるホリデーの会話トピックの一つとして、「気候楽観論」で会話を弾ませてもいいかもしれません。

3.『Invention and Innovation: A Brief History of Hype and Failure』／バーツラフ・シュミル著

マニトバ大学の環境科学名誉教授であるシュミルは、ビル・ゲイツのお気に入りの著者の一人。彼はシュミルの44冊の本をすべて読んでおり、"過去について説明するのにシュミルの右に出る者はいない "と語っているほど。シュミルはこの本の中で、「私たちは人類史上最も革新的な時代に生きているのだろうか？」という疑問に、そうではないと主張し「現代社会に“技術的停滞”と“進歩鈍化の兆候”がある」と指摘。 ビル・ゲイツはこの意見とは違う見解を示しているというが、人間の創意工夫がどのようにして私たちを今この瞬間に導いたかを知るには、強くお勧め本だと語っている。