冷戦下のソ連が「ホットドッグ屋」を軍事施設と勘違いした根本原因~情報を「集めただけ」では、とんちんかんな結論になる~
だから、ソ連軍人たちからすると、昼休みになったらみんなプラプラ出てきて、それぞれ好きなものを買ってきて食べるというアメリカ人の習慣は全く想像外だったわけですね。 ■相手の行動様式がわからないと、とんちんかんな結論に 情報処理装置の重要性とは、つまりこういうことです。 何百億円もする軍事衛星を、さらにまたそれを何百億円もするロケットで打ち上げて、ソ連で最も優秀な分析官たちが分析しても、相手がどういう行動様式をとっているのかがわからないと、とてつもなくとんちんかんな結論が出てきてしまうのです。
逆にアメリカの分析官だって、ロシアのスタローヴァヤ文化がわかっていないと見当外れな「分析」をしてしまうでしょう。
小泉 悠 :東京大学先端科学技術研究センター 准教授