本業に生かす経験? 年収の補完? 社員副業にメリットも普及にはなお時間
副業を認める企業は依然として少数派
副業への関心は、インターネットが普及して個人間で自作品や中古品を売買しやすい環境が整い始めた2000年前後から高まった。特にリーマン・ショック後、リストラや倒産のニュースが連日報じられていた頃、副業に関するセミナーや出版物も増えた。 とは言え、副業を認める企業は少数派だ。人材採用のリクルートキャリア(東京)が2015年2月に公表した兼業・副業に関する実態調査によると、兼業・副業を「容認」としたのは全体(回答数4513社)の3.8%にとどまり、「不可」が96.2%と圧倒的多数を占めた。 容認する場合も、ロートのように「就業時間以外で本業に支障を来さない」といった条件を示すのが通例だ。副業をしようとするなら、勤め先の服務規定に従う必要がある。規定に違反すると懲戒処分を受けるケースもある。また公務員は公務員法によって副業が原則禁じられている。 望めば誰でも副業が可能という時代はまだ遠そうだ。しかし、ひとたびリーマン・ショックのような危機が起こり、雇用環境が悪化するような事態になれば、副業を含む多様な働き方の議論が急速に熱を帯びるかもしれない。それに向けた準備を今から始めても遅すぎることはないだろう。