ファストリ、9-11月期営業益は過去最高-国内外ユニクロ好調
(ブルームバーグ): 衣料品チェーンの「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは9日、2024年9-11月(第1四半期)の営業利益が前年同期比7.4%増の1576億円だったと発表した。四半期で過去最高となった。
営業利益はブルームバーグが集計したアナリスト8人の予想平均1578億円とほぼ同じ水準。通期は従来予想の5300億円を据え置いた。
同社の資料によると、第1四半期は国内ユニクロ事業の販売が好調で、営業利益は前年同期比12%増だった。11月に行った40周年感謝祭が盛況だったことや、冬物防寒衣料の販売が伸びたという。
海外ユニクロ事業は、東南アジアやインド、豪州地区、北米、欧州でユニクロ事業が順調に拡大した。ただ、景気後退を受けた消費の冷え込みや天候不順の影響で前期に苦戦した中華圏は復調せず足を引っぱった。中国大陸で暖冬に対応した商品構成や、地域ごとの細かい対応が不十分だったと説明している。
岡崎健グループ上席執行役員兼最高財務責任者(CFO)は決算会見で、中華圏について「大陸全般、消費意欲が高まってない」とした上で、「低月商の店舗のスクラップアンドビルドを引き続き進めていくと同時に、今後は地域ごとの商品構造の改革もより一層進める」と述べた。
9日に中国国家統計局が発表した12月の中国消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.1%増と4カ月連続で鈍化した。政府が景気刺激策を講じて需要の底上げを図るが、効果は上がっていない。
柳井正会長兼社長は23年4月、長期的に売上高10兆円を目標に成長を加速させると抱負を語り、中間目標である5兆円を5年程度で目指すとした。同社予想の今期売上高は3.4兆円で、海外ユニクロ店舗の約6割を占める中華圏の成長力強化は欠かせない。
--取材協力:吉田昂.
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Haruka Iwai