阪神・才木浩人、初球宴選出御礼の7回1安打零封 また無援も勝たせてやりたかった…
(セ・リーグ、広島0-3阪神=延長十回、11回戦、5勝5敗1分、2日、マツダ)スターの仲間入りに導いてくれたファンに向けてのお礼を、広島のマウンドで果たした。阪神・才木浩人投手(25)は鯉打線との今季初対決で7回1安打零封。森下との投手戦で実力を見せつけた。 「結果は無失点でしたが、自分の感覚としてはそこまで調子は良くなかったです」 自慢の直球の感触がいまひとつとみるや、スライダー、フォークと変化球中心の配球で組み立てた。二回には先頭・小園の投ゴロを一塁へ悪送球。「意味の分からないところにボールを投げてしまったので、自分でもビックリした」というミスで無死三塁のピンチを背負った。それでも続く坂倉を三邪飛に仕留めてると、菊池は投ゴロで、小園を三本間で挟殺。「正直、1点は覚悟した」窮地を脱し、その後は五回までは無安打に封じた。 先頭の会沢に初安打を許した六回も2死一、二塁をしのぎ、スコアボードに7つゼロを並べた。またも援護なく、火曜日登板に転じた前回に続いて白星はつかずも、8試合連続のクオリティースタート(先発で6回以上、自責3以内)を達成。岡田監督は「1点でも取ったらよかったけど、(エース級が先発する)火曜日、何かこういう展開なるよ」と、113球の熱投をねぎらった。 この日、右腕に吉報が届いた。「マイナビオールスターゲーム2024」ファン投票の結果が発表され、先発部門で45万1456票を集めてトップ選出。2位のDeNA・東に22万7028票差をつけて初球宴の切符を手にした。思い描く夢舞台での投球は「真っすぐ勝負でいきたい。三振を取りたいし、打たれるならホームランの方が気持ちいいかな」。パの猛者相手に力と力の勝負を見せるため、直球の精度もさらに高めていく。 「火曜日はなかなか点が入らない展開が続くと思う。そこでどれだけ粘れるかが大事。粘っていたら、きょうみたいに最後に点が入ることもある。こういう投球が続けてできたらいい」 連敗ストップに貢献する好投で、明るい1週間への流れは作った。スターとしてのまばゆい輝きを放つ才木の右腕が、これからも頼もしく相手をなぎ倒す。(須藤佳裕)