「本気で向き合うものに巡り合えた」チアダンスコーチ・豊田典子が語るダンスへの思いと日々を支える食習慣
――チアダンスは見栄えの美しさも重要なポイントですが、豊田さんは学生時代から食生活に注意していたんですか? もともと消費カロリーが激しい競技なので大学生の時はそこまで意識してなかったんですけど、少しでも太ってしまうと衣装がキレイに着れなくなるんで、コーチに怒られてしまうことはありました(笑)。そういう時は食事にきのこを活用していましたね。カロリーがほとんどないし、手軽で栄養もあるので、本当に有難い食材だなと思います。お腹いっぱいになりやすいのでよくお味噌汁に入れていました。焼いてもOKですし、似ても蒸してもいい。何をやっても邪魔しないし楽な食材で助かっていました。 ――今もご家庭で料理されることも? シメジからエノキ、しいたけ…と本当に全て料理に使うことがありますね。娘たちもダンスをやっているんですけど、特に長女は中2なので体形を気にする傾向が強いんです。私と同じように「きのこを食べていれば大丈夫」と本人も考えているみたいで、我が家の冷蔵庫には必ず入っている食材になっています。 ――腸内環境を整える効果もありますが、腸内環境を意識して食事を考えたことは? そこに関しては知識が乏しくて、あまり意識したことはなかったんですけど、体のためには体に良いものを摂取することが重要だと思ってはいました。私自身も腸内環境がよくなかったり、便秘したりする時があるので、積極的に摂るように意識はしています。 ――娘さんのお話もありましたが、いまは子どもでもダイエットを意識することが珍しくなくなりました。体型維持をするために気を付けることはなんでしょうか? 今の時代は「痩せていればキレイに見える」「ぽっちゃり体系はNG」みたいな意識が強くて、ムチャなダイエットをする子も増えていると感じます。だからこそ、栄養教育が必要だと考えました。友人の栄養士を呼んで話をしてもらう機会を作ることもあって、「骨は子供時代にしか作ることができないし、バランスのいい食生活が将来に影響する。野菜だけ食べればいいわけじゃないし、あらゆる栄養素をバランスよく食べることがすごく大事」という話をまずしてもらいました。 あと子供たちに言いたいのは、「お菓子を食べたいんだったら、夜寝る前だけ我慢すること」ですね。食べる時間や量を調整できれば「今日は食べちゃえ」という日があってもいいと思う。自分を客観視して、コントロールできていれば問題ない。「自分で決められる心」を私は指導したいと思っています。 ――自分を客観視する、心をコントロールすることは食生活だけでなくアスリートとして大事なことですね。 はい。自分で自分自身をよく知っていれば、何事にもベストな方向を見出せます。自分でコントロールするっていうのは難しいことですけど、そういう力をつけるように仕向けていきたいと思っています。 豊田典子/とよだのりこ 1979年3月24日生まれ、チアダンス・インストラクター ライツ所属、神奈川県川崎市出身 玉川学園高等部―玉川大学―劇団ひまわり―フリー 玉川大学入学と同時にダンスドリームチームに入部。本格的にチアダンスの世界に足を踏み入れる。そして1年後の98年ALL JAPAN CHAMPIONSHIP JAL CUPでいきなり第3位に入ると、翌99年の全日本学生選手権 STEVA CUPでグランプリを獲得。学生の頂点に立つことに成功した。 卒業後の2001年には劇団ひまわりに入社。最初の1年間は事務スタッフとして働いていたが、子供のダンスレッスンの指導を頼まれるようになり、徐々にそちらがメインになる。2002年には「忍風戦隊ハリケンジャー」のエンディング・劇中ダンス振付に携わり、そこから4年連続で戦隊シリーズのダンスを担当した。 2006年には劇団ひまわりを退社し、日テレ読売文化センタージュニアダンスクラス・インストラクターに。そこから複数のダンスレッスンを受け持つようになり、子供たちに絶大な人気を博す。2004年~2008年にかけては「HONEY BABY」のジュニアタンス大会に子供たちを送り出し、数々の実績を残した。その後に結婚・出産を経験。しばらくは子育てに専念していたが、子供たちが通う幼稚園や小学校で指導するようになり、徐々にダンス界に復帰。2019年には「SAKURA~すてきなチアリーダーの教室」をプロデュース。2020年にも「中目黒キッズチアダンススクール」をプロデュースし、家庭に軸足を置きながらも草の根からチアダンスの普及に努めている。