【Playback箱根駅伝】第65回/順大 9区の再逆転で4連覇 ケニア人留学生が初参加
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第65回箱根駅伝総合成績をチェック
第65回(1989年/昭和64年) 昭和最後の大会は順大と日体大が9区まで接戦 山梨学大が初シード
復路に主力を温存した順大が日体大を終盤の9区で再逆転。11時間14分50秒で4連覇を達成して、8回目の優勝を飾った。往路、復路ともに制する完全優勝は2年連続となった。 順大は1区の三浦武彦が六郷橋の下りで仕掛けて区間賞と最高のスタートを切る。花の2区には前回区間2位の鈴木賢一を配置していたが、この区間の主役となったのは初の外国人留学生選手である山梨学大のジョセフ・オツオリだった。 順大と48秒差の8位でタスキを受けたオツオリは6.2km地点で順大を抜いて首位に立つ。オツオリは区間賞の快走を見せてトップ中継を果たすと、3区の福田正志も区間4位と好走して首位を守った。 3区を終えた時点で山梨学大と1分11秒差の3位だった順大は4区の倉林俊彰が区間賞の走りで再びトップへ。5区では前回に6区で区間新記録を出した順大の仲村明を1分47秒差でスタートした日体大の島津秀一が追いかける展開。島津は最高点付近で仲村をとらえたが、得意の下りで仲村が仕掛けて往路連覇を果たし、日体大は12秒差で続いた。 だが、順大は6区で今村稔和が日体大の川嶋伸次に抜かれると、7区の橘謙が区間10位と振るわず、1分59秒の差をつけられてしまう。8区の畑中良介は区間賞の走りを見せたが、日体大との差は4秒しか詰まらず、苦しいレースとなった。 それでも順大は9区に前回10区区間賞の山田和人を残していた。教員を目指すため自衛隊を辞めて入学した経歴を持つ山田は16km過ぎに日体大を捕まえて再逆転。鶴見中継所では2分03秒差の貯金を作って4連覇を確固たるものにした。 オツオリの快走があった山梨学大は7位と健闘。出場3回目にして初のシード権を獲得した。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
月陸編集部