近鉄が最新鋭の「新型車両」投入へ「ロングとクロス」混在配置が「史上初」運転席のボタン一つで作り出せる 混雑状況に応じて自由自在に座席変更
近畿日本鉄道が、ことし10月から新型車両を投入すると発表しました。 混雑状況に応じてロングシートとクロスシートを運転席のタッチパネルで切り替えることができ、さらに鉄道会社史上初めてロングとクロスシートの混在配置も「ワンタッチで切り替え可能」な最新鋭の車両です。
■【史上初】ロングとクロスの「混在配置」タッチパネル一つで操作可能
近鉄はことし10月から一部の路線(奈良線、京都線、橿原線、天理線)で新型一般車両の運行を始めると発表しました。 新型車両の目玉の一つは、混雑状況に応じてロングとクロスのシートがタッチパネルで一度に切り替えできる点です。 例えば、乗客の多い時間帯は立って列車に乗る乗客のスペースを広く確保できる「ロングシート」、比較的乗客の少ない時間帯には「クロスシート」といった具合に、1日の中で時間帯ごとに何度も席配置を変えることができます。
さらに、1車両の中で、ロングとクロスを「混在して配置」することも可能です。近鉄によると、このロングとクロスの混在配置を運転席にあるタッチパネルのボタン一つで作り出せるシステムは、鉄道会社史上初だということです。 また、クロスシートは足元のペダルで席の向きを変えることができるため、家族連れなどは、互いに向き合う形で会話しながら電車の旅を楽しむことができます。
■スーツケースが動く心配なし ベビーカーを持って安心乗車の「やさしば」
もう一つの目玉は、ベビーカーやスーツケースなどを持った客が気兼ねなく列車に乗れる優しい場所、その名も「やさしば」です。 「やさしば」は、車両中央の乗降扉の近くに1車両あたり2カ所設けられ、このスペースには、スーツケースなどのキャスターの一つをひっかけることができるストッパーが設置されています。 これまで電車内で、スーツケースが転がっていかないよう、手などで押さえて神経をすり減らしていた乗客も「やさしば」では、その心配は必要ありません。 ベビーカーも設置しやすい設計になっているので、保護者にも安心のスペースとなっています。
■「全ての乗客に気兼ねなく電車に乗ってほしい」開発者のこだわり
このほかにも、車内防犯カメラを1車両あたり4カ所設置するなど防犯対策にも力を入れた仕様です。 新型車両の開発を担当した近鉄の喜多陽平さんは「ベビーカーや大きな荷物を持っている方も含め、全てのお客様に気兼ねなく電車に乗っていただくために、新型車両を開発しました。車内空間で楽しい時間を過ごして頂けると幸いです」と話しています。 開発者のこだわりが詰まった新型車両は来年度からほぼ全線で投入される予定です。
関西テレビ
【関連記事】
- ■「新しい大阪駅」 大阪駅が新大阪・十三・難波・関空と結ばれる ゲートウェイ機能さらに拡充 2031年に計画
- ■私鉄4社と「ランチパック」が同時コラボ 最も開発が難航したのは「南海」 「電車に乗って各地を巡り 地域の名物と食べ比べしてほしい」と開発者
- ■新幹線に「個室」 グリーン車よりも高いグレードの“完全個室”導入 ビジネス用途やプライバシー重視の利用想定 「さらに上級な空間で移動を」と社長
- ■昭和の香り「味園ビル」にお別れ 和田アキ子さんが専属歌手だった『日本最大』のキャバレーには連日客1000人
- ■「限界ニュータウン」 新築時2600万円が113万円 「だまされたとは思わないけど…」 “バブル期”開発 街から離れ、病院も学校もなく