Da-iCE岩岡徹、新曲歌詞はパリ五輪の“大逆転”試合から着想 辛い時期越え「考え方が180度変わった」ワケ【モデルプレス独占インタビュー後編】
【モデルプレス=2024/10/12】5人組アーティスト・Da-iCE(ダイス)の岩岡徹(いわおか・とおる/37)に、モデルプレスがインタビュー。グループとして1年4ヶ月ぶりのリリースとなった新アルバム『MUSi-aM』にて自身が手掛けた歌詞の制作秘話や、メジャーデビュー10周年を迎え数々のヒットを生み出してきた今だからこそ思う「夢を叶える秘訣」に迫る。【インタビュー後編】 【写真】Da-iCE、5年ぶりフリーイベントの観客が2万人超 ◆岩岡徹「BACKシリーズ」最新作への思い・MV秘話 ― 新アルバム『MUSi-aM』が10月2日に発売されました。タイトル曲『TAKE IT BACK』はタイトルに「BACK」が付く「BACKシリーズ」の5年ぶりとなる新作。日本武道館公演でも「BACKシリーズメドレー」を披露されるほどDa-iCEさんが大事にされてきたものだと思いますが、今回収録するにあたってメンバーの皆さんやスタッフの皆さんとどのような話し合いがあったのでしょうか? 岩岡:「BACKシリーズ」には1度なんとなく終止符を打っていて最近はリリースしていなかったのですが、メジャーデビュー10周年は記念すべき年でもあると思うので新たに出したかったというのと、ずっと昔から(同曲で作詞・作曲・編曲を担当した)styさんに書いていただきたいという話をしていて、styさんのサウンドの力強さ、かっこよさが「BACKシリーズ」にハマると考えたところから、うちのメンバー(工藤大輝・花村想太)が作り上げていきました。styさんに書いていただきたいという念願も叶いましたし、改めて今回やってよかったと思っています。 ― ミュージックビデオもインストアイベント(10月6日開催)でファンの方々と同時に視聴するという貴重な機会もありました。岩岡さんが「ここはファンの皆さんに喜んでもらえそう!」と思う部分はありますか? 岩岡:今回は撮影期間もいつもより長くて、衣装も4体ぐらい着ているので、バタバタな中で手間暇をかけて、みんなで一丸となって頑張りました。カット割りも多くしたり、自分の中でもこういった撮り方をしたいというのを監督が汲み取ってくれたり、振り付けもとてもかっこよかったり、歌もとてもいいですし…まるっと注目していただけたらと思います!多分1回ではカット割りが速くて見きれないので、何度も何度も見ていただいて、自分のお気に入りシーンを探してもらえたら嬉しいです。 ― イベントで観たというファンの方々にはお家に帰ってからも観ていただきたいですね。 岩岡:1回帰って手洗いうがいしてもう1回見て、お風呂出てもう1回見て、寝る前に見て、という感じでリピートしてほしいです(笑)。 ◆岩岡徹、オリンピックの試合から着想を得た歌詞 ― アルバム『MUSi-aM』に収録されている楽曲のうち『Your Turn』『Never』の2曲を岩岡さんが作詞されていますが、歌詞を考える時に意識されたことはありましたか? 岩岡:『Never』はお願いしたい作家さんがいたので、その方に「こういった曲調でお願いします」というリファレンスを送って仕上げていただいて。10周年ということもあったので、自分たちの軌跡をテーマに書くメンバーが多いかなと思ったので、僕はどちらかというと普遍的というか、どんな人が聞いても自分のことのように感じるような歌詞を書きました。「人生はそんなに考えすぎず道草を楽しんだ方がいいよね」というニュアンスで後押しする歌詞に、僕らDa-iCEの思いも組み込んでいます。 『Your Turn』は、僕がスポーツを観るのが好きで、ちょうど開催されていたオリンピックに少しヒントを得ました。4年に1回の大会でこちらは5~10分ほどの試合しかなかなか目にしないけれども、その影で何年もの間練習しているという選手の姿と、ステージに立っている時間は一瞬だけれども、その裏ではこれだけのリハーサルをしているという自分たちの姿が重なって。でもそういう姿は我々に限らず、例えば社会人の人がプレゼンする瞬間でもその前に資料を用意するなど、いろんな方が当てはまると思うんです。そういった光に当たっている部分と影の部分を自分なりに表現してみました。 ― 2曲ともどんな人にも当てはまるような楽曲というのを意識されたんですね。 岩岡:ファンの方に向けた曲は、他のメンバーが担いそうだと勝手に予想したので、僕は間口を広くすることを意識しました。というのも、最近楽曲がありがたいことにヒットしていたので、Da-iCEにまだのめり込めていないグレー層の方にも分かりやすい楽曲を作りたくて。コアファンだけに向けてしまうと「あれ?私、置いてけぼりなのかな?」と思われるのも良くないと思ったので、初めましての方にも名刺代わりでこのアルバムを手に取っていただけたらという意味合いで、そういった書き方にしました。 ― 先程『Your Turn』はオリンピックに着想を得たとおっしゃっていましたが、何の試合を観ていた時に思いついたのですか? 岩岡:ちょうど歌詞を書いていたのは、堀米雄斗選手(スケートボード男子日本代表)が最後の最後に大逆転したのを観ていた時でした。それまで逆転に必要な点数はどの選手も出していなくて「成功したとしても1位は無理だろう」と思われていた中で、奇跡的に最後の最後で1発決めて大逆転して、2大会連続での金メダルを獲得した瞬間はとても痺れました。でも本人も「この2年間がすごい辛かった」とインタビューでおっしゃっていたくらい、彼の中にはとんでもない苦労やプレッシャーがあって。それは大会を観ている我々にはなかなか伝わらない部分ですし、いざ舞台に立ったらもがいている部分や苦しい部分があっても全てを出さなければいけないのだと思ったのと、もちろんオリンピック選手に限らず、色んな方が色んな場面でそういうことがあると思うので歌詞にしました。 ― この2曲をメンバーの皆さんに聞いていただいた時はどのような反応でしたか? 岩岡:個々に聞いてくれているのでお互いに反応は分からないですね…(笑)。でも颯(和田颯)は『Never』を「めちゃくちゃ好きで聞いています!」と言ってくれて「ダンスは絶対こんな感じですよね!」と自分の中でイメージを膨らませてくれていたので、そういうのは嬉しいなと思いました。 ◆岩岡徹、辛い時期を乗り越え「考え方が180度変わった」 ― 今年デビュー10周年を迎え、これまで『CITRUS』『スターマイン』『I wonder』とヒット曲を生み出してきました。Da-iCEとして活動してきた中で、岩岡さんが1番悲しみや辛さを感じた時期はありましたか? 岩岡:僕は「なるようになる」というタイプの人間なのでそんなにないのですが、コロナ禍の時期はきつかったです。ライブも「Da-iCE BEST TOUR 2020」オーラスの大阪公演がなくなってしまって、他の仕事でも最初の頃は外出してはいけないといった感じだったので、ずっと家の中で仕事もなく過ごしていました。でも、僕はあの期間で仕事に対する考え方が180度変わったので、すごく良いきっかけをもらえました。毎日バタバタしていたので、なかなか自分と向き合う時間がなかったのですが、ゆっくり自分と対面して、もう少し肩の力を抜いて仕事に取り組んだ方がいいと思うようになってから、僕はマインドがとても楽になりました。2020年まではきつかったのですが、2020年以降は少し気持ちに余裕ができたと自分の中で感じています。 ― 仕事への考え方が180度変わったというのは具体的にどのように変わったのでしょうか? 岩岡:例えば、それまでは「休みいらない」「寝る時間いらない」というタイプだったんです。でも、それをやってしまうと「まだ年齢的には大丈夫だろう」というだけで自分が気づかなくても、精神が削れていたり、身が削れていたりするかもしれない。糸が切れてしまったら、もしかしたら精神的に危ないのかなと少し感じてはいたので、やっぱりリフレッシュこそ大事、休息やメリハリこそ大事だと考えるようになりました。 もちろん「3時間睡眠で大丈夫」という人もいますし、その人によると思うのですが、そこは人と比べずに、あくまで自分に合った向き合い方をしたくて。今までも特に人と比べてしまっていたわけではないのですが、より自分と向き合ってリフレッシュの時間や休みの時間を大事にしようと思って、仕事も詰めすぎないように調整をしてもらうようにしました。他のメンバーが詰めすぎていても、昔は「あれ?大丈夫かな?」と思っていた感覚を「自分は自分」となくしていくようになったのでマインドが180度変わったと思います。 ― 自分のペースでお仕事をされるようにシフトしたんですね。リフレッシュする時間、お休みの時間を大切にされているとのことですが、何をしていることが多いですか? 岩岡:僕は友達と会ってさくっとどこか行くこともあったり、好きなご飯を食べに行ったり、お酒を飲んでたわいもない話をしたりしています。あと、2020年以降はいつも以上に自然を感じるところに行って、全然特別なことではないですが、深呼吸をしたり、少し散歩をしたり。そこから自転車も乗るようになって、ジムにも通い始めて、体を鍛えるというよりは健康を保つリフレッシュという意味で運動をするようになりました。 ― 休みの日もアクティブに動く派なんですね! 岩岡:コンビニでもいいので1日1回は外に出ようと心がけていて、なるべく太陽に当たっておこうとは思っています(笑)。 ◆岩岡徹の「夢を叶える秘訣」 ― これまでご活躍されてきた岩岡さんに、夢を追いかけているモデルプレスの読者に向けて「夢を叶える秘訣」をお伺いしたいです。2021年にインタビューさせていただいた時には「継続すること・習慣づけること」とお答えいただき、習慣化することが人生で1番難しいことであり大切なことだとおっしゃっていました。 岩岡:確かに!それだ!(笑)今も変わっていないです。1番大事です。 ― (笑)。この数年で新たに考えたことや改めて大事だと思ったことがあれば是非教えてください! 岩岡:僕の人生経験としても実感しているのですが、“決断力”はとても大事だなと感じています。どのタイミングでも、どちらかを選ばなければいけない、何かを選ばなければいけないことがあると思うのですが、その決断を人に流されないように自分の意志も持っていなければいけないし、かといって周りが見えなくなっても良くないので人に相談してその意見もしっかり聞いて、色々考えて決断をして。そして、その決断をしたからには責任を持って最後までやり通そうと全うすることが大事です。僕は就職をしてから辞める決断をしたり、高校も途中で変える決断をしたりと、周りからしたら「え?」と思われるような決断をしてきたのですが、それが良い方向、成功に向かっている理由は「ちゃんと決断したからにはこうしなければ」というのを考えて行動していたからだと思います。でも死ぬわけではないので「嫌だったら逃げてもいいよ」というのを心のどこかに置いておくだけで、少し気持ちが楽になるとも思っています。 ― 何度も人生の大きな決断をされてきた岩岡さんがおっしゃると説得力を感じます。何か今考えている夢や決断したいことなどはありますか? 岩岡:最近海外に行ったので、“海外欲”というのがとても高まっているので、若いうちに、長期フライトが苦ではない時に(笑)、行けるところに行った方がいいと思いました。世界遺産など写真やテレビでも見られる時代ですが、やっぱり生で見たら全然違うなと感銘を受けましたし、まだ自分の生活圏である島国の東京の1区でしか生きていないと思ったら、せっかく地球にいるならもっとこの目で色々見たいと思いました。「将来世界1周をしたい」と考えていたのですが、いつ行けるか分からないし行ける時に行った方がいいと感じたので「毎年1回は海外に行きたい」という夢ができました。仕事でもプライベートでもなんでもいいので海外に行きたくて、マネージャーに「海外の仕事が欲しいです」と伝えています(笑)。 ― 今1番行きたい国はありますか? 岩岡:「世界で1番行くべき国」というのをネットで調べたらイタリアが1位で。確かにイタリアはご飯も美味しそうですし、見るものもたくさんありそうですし、行きたいと思いました。 ― メンバーの工藤大輝さんも楽曲制作などでヨーロッパを度々訪れているイメージがあります。 岩岡:スウェーデンなどに行っていますね。(顔をニヤリとさせながら)彼もちょっともうやみつきになっているんじゃないですか?もしかしたらメインは楽曲制作ではないかもしれないですよ(笑)。もう「海外楽しい!」ってなっているかもしれないです。僕も楽曲制作のていで行こうかな?(小声で)日本で作っておいて…ありだな…(笑)。 ― (笑)。最後にグループとしての夢や目標もお聞かせください。 岩岡:「ミュージックステーションに出たい」「紅白に出たい」「ドームに立ちたい」という3大目標があって、まだ「ミュージックステーションに出る」という1つしか叶えられていないので、「紅白歌合戦」という誰もが知っている大きい舞台には1度立ちたいという思いはずっとあります。またグループでドームに立ってツアーができるぐらいになるというのも、そういった先輩方を見てきたので、その先輩方の背中に少しでも近づけるように達成できたらという目標があります。 ― 貴重なお話をありがとうございました。 (modelpress編集部) ◆岩岡徹(いわおか・とおる)プロフィール 1987年6月6日生まれ、千葉県出身。Da-iCEではパフォーマーを担当し、メンバー内で唯一の社会人経験者。グループとしては『CITRUS』が「第63回 輝く!日本レコード大賞」で大賞を受賞し、その後も『スターマイン』『I wonder』がTikTokなどのSNSから人気に火がつき、ヒットソングとして彼らの名を世に知らしめた。10月2日には『I wonder』を含む全16曲を収録した8th ALBUM『MUSi-aM』をリリースした。 岩岡は俳優活動も積極的に取り組んでおり、ドラマ『サレタガワのブルー』(MBS・TBS/2021)、『全力で、愛していいかな?』(テレビ東京/2023)などに出演。また、2023年からは自身が手掛けるライフスタイルブランド「COMFY」を立ち上げ、2024年9月にZOZOTOWNとのコラボアイテム「BACK TO SQUARE ONE by COMFY」を発表したほか、同年10月に[Vol.4]をローンチした。 【Not Sponsored 記事】
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