何かと物議を醸した「LUMIX S9」、触ってみるとイマドキの機能がうれしいフルサイズ機だった
リアルタイムLUTを使おう
LUTは映像業界の用語なのだけど(Look Up Tableの略)、パナソニックはS5 IIで写真にもその概念を持ってきた。そしてS9ではちょっと敷居が高そうな「リアルタイムLUT」をよりカジュアルに仕立てたのだ。 リアルタイムLUTというのはLUTを参照してそれをリアルタイムに映像に反映させる機能。 使い方は簡単。LUTボタンを押し、ダイヤルを回して使いたいLUTを選ぶ。 デフォルトではサンプルのLUTが3つ入っており(Sample LUT1~3)、それを使うといい。特に「Sample LUT3」が印象的でつい使いたくなる。「Sample」なんていわずにそれぞれにちゃんと名前を付けて上げればよかったのに、と思う。 LUTを追加したいときはスマホを使う。 使うアプリは新しく作成された「LUMIX Lab」だ。 あらかじめパナソニックが提供するLUTを使いたいときはアプリの「ダウンロード」から。 パナソニックが提供するLUMIX LUTの他、クリエイターオリジナルのLUTもたくさんあるので撮りたい雰囲気のものをいくつかダウンロードするといい。 ダウンロードしたLUTはアプリとS9を接続することでカメラへ転送できる。 醍醐味はオリジナルLUTの作成だろう。 手順はいろいろあるけれども、自分で撮った写真を使うのがわかりやすい。 アプリを使って写真をダウンロード。そしてギャラリーから写真を選ぶと、スマホにダウンロードしたLUTをその場で当てることができる。 重要なのはこのアプリの「ツール」。ツールを開くと、ライト・カラー・HSL・トーンカーブ・明暗別色補正など項目が現れる。 ここでトーンカーブをいじったり、色相別の調整をしたりできるのだ。 ここでLUTを作ったら名前を付けて保存。そして、カメラへ転送すればOkだ。 あとは撮影するときにそのLUTを選ぶべし。 オリジナルで作る以外にもダウンロードしたLUTをちょっといじって使える。VIVIDやLEICAモノクロームなどフォトスタイルをかけた写真を使ってLUTを作成すると、フォトスタイルごと保存できる。 作ってみたけどシーンによって思ったような効果がでなかった、ってのは頻出するだろうから、ちょっとずつアップデートしながら試行錯誤するのが楽しかろうとは思う。