何かと物議を醸した「LUMIX S9」、触ってみるとイマドキの機能がうれしいフルサイズ機だった
ハイブリッドズームとクロップズームってなに?
そういう人には新機能「クロップズーム」と「ハイブリッドズーム」である。 クロップズームは写真の中央部をクロップすることで疑似的に望遠にする機能で、例えばリコーのGRもクロップによって画素数は落ちるけどちょっと望遠になる機能を持ってる。 でもレンズ交換式でボディにズームレバーも持たないS9でどうやって実現するのか。試してみた。 クロップズームをオンにする。 タッチパネルのズームレバーでズーミングするのだった。なるほど。望遠端まで行ったら、タッチパネルでズーミングしてやると、徐々に画像サイズを小さくしつつ(どこまで許容するかは選べる。Sサイズだと600万画素相当なので、まあそのくらいかな)、望遠になるのだ。 ハイブリッドズームはもうちょっと凝ってる。光学ズームとクロップズームを合体させた機能で、ズームリングでクロップズームまでやっちゃうもの。どう実現するのか。 ハイブリッドズームをオンにし、その振る舞いを設定。広角端のクロップズームをオフにした場合。 ズーミングすると20-30mmまではそのまま光学ズーム。30mmを超えると徐々に「光学ズーム+クロップズーム」となり、望遠になるに従ってクロップズームの倍率が上がる仕様だ。 画面に「60mm×2.0」みたいに表示が出るので分かる。 Sサイズ(600万画素サイズ)をMAXにすると、2倍……つまり、20-60mmだと120mm相当にまで伸ばせる計算になる。 まあ実際、大きくプリントしたりあとからトリミングしない限り600万画素あれば十分なシーンは多いわけで、ハイブリッドズームによって20-60mmが20-120mm相当になるという発想は面白い。
超コンパクトな高倍率ズームや中望遠マクロも見逃せない
望遠撮影が多くなりそうなら28-200mm F4.0-7.1 という高倍率ズームレンズのキットもある。これがまた28mmスタートで望遠端がF7.1になっているとはいえ、かなり寄れるし、短いし(約93.4mm)、約413g(レンズフードを含まず)とすごく軽い。 装着した感じも20-60mmとあまり変わらないので、常用ズームレンズとしてもいいのだ。高倍率ズームでこのコンパクトさはありがたすぎる。 ちなみにこのレンズでクロップズームかハイブリッドズームをかますと400mm相当にまで伸びる。 今回はもう1本、小型軽量レンズシリーズということで、100mm F2.8 マクロレンズも使ってみた。2023年秋に登場した中望遠マクロレンズでこれがまた約298g(レンズフードなど含まず)と軽くて約82mmと短いのだ。ちなみに、85mm F1.8のレンズよりちょっと軽い。 これはマクロ用としてもポートレート用としても使えるレンズだ。写りもボケもいい。 最後は、S9のウリともいえるリアルタイムLUTの話。