【Bリーグ】サンロッカーズ渋谷、“勝負”の新体制2年目へ──ベンドラメ礼生「選手それぞれの良さを出す余裕ができている」【バスケ】
戦術が浸透し、フィジカルな相手にも戦い抜く
B1レギュラーシーズンが開幕し、各クラブが4試合を消化。サンロッカーズ渋谷は2勝2敗とまずまずのスタートを切った。昨季は1ゲーム差で中地区3位、ワイルドカードでも千葉ジェッツと同勝率(35勝25敗/勝率0.583)ながら3位と、惜しくもチャンピオンシップ出場を逃していただけに、今季に懸ける思いは強い。 昨季のSR渋谷はリーグの話題をさらう大改革を行った。まず、親会社が日立製作所からセガサミーホールディングスに変わり、新ヘッドコーチには2018、19年とアルバルク東京をBリーグ連覇に導いた名将ルカ・パヴィチェヴィッチを招へい。ロスターにも、そのパヴィチェヴィッチHCと共にリーグ連覇を成し遂げだ田中大貴や、日本代表のジョシュ・ホーキンソンらを加え大幅アップグレードに成功した。だが、ケガや戦術の浸透に時間を要し、新体制1年目はダイナミックな改革に見合う成果を上げることはできなかった。 新体制2年目の今季は、まさしく“勝負の年”である。 敵地での長崎ヴェルカとの開幕節は、フィジカルなディフェンスを仕掛けてくる相手にゲーム1は68-76で敗戦。しかし、ゲーム2ではロースコアゲームを58-53で勝利した。秋田ノーザンハピネッツとのホーム開幕節も同様の展開となる。ゲーム1は65-77と全てのクォーターでビハインドを背負って敗れたが、ゲーム2では攻防に秋田のフィジカルなプレーを上回り78-71で勝利した。 特に、ゲーム2では秋田のプレッシャーディフェンスに逃げずにペイントを攻め立て、そこからのキックアウトでいくつものワイドオープンショットを作り出すなど、オフェンスの統率が取れていた印象だ。ディフェンスでは秋田の3P攻勢に苦しむ場面も見られたが、相手の2Pシュートを10/34(29.4%)に封じ、リバウンドも45-36とリード。さらにはペイント内得点で30-18、セカンドチャンス得点でも18-6と圧倒した。総じて、特にペイント内の攻防でフィジカルに戦い抜けた成果がこのスタッツだ。 「昨日(ゲーム1)の負けを受けて、秋田と40分間フィジカルに戦えていなかったと話しました。オフェンスでもディフェンスでも、コンタクトされてもしっかりとプレーし続けて、40分間フィジカルに戦い抜く必要があります。そこに対しての昨日からのリアクションは良かった。目に見えて違いを感じることができました。それができたからこそ、この結果につながったと思います」 パヴィチェヴィッチHCは、そう肩をなで下ろした。 全員が強気なプレーを見せたことで、ホーキンソンの20得点を筆頭に、ケビン・ジョーンズが18得点、ベンドラメ礼生が14得点、アンソニー・クレモンズが10得点、8アシストと多くの選手が攻撃の起点となった。パヴィチェヴィッチHCの求めるバスケがようやく浸透してきたようだ。 当時NBLの2015-16シーズン(16年1月にアーリーエントリー)からSR渋谷一筋のキャリアを歩むベンドラメは、新体制2年目の変化をこう話す。 「昨シーズンはシステムを落とし込むのにすごく時間を費やした印象がありました。見て分かるとおり、(パヴィチェヴィッチHCからは)完璧なことを求められるので。ただ、今シーズンは半分以上の選手がそれを知っている、それを遂行できるので、練習の質もすごく高くなってる印象があるし、昨シーズンできなかった細かいところまで(練習で)詰め込めています。ハードな練習ができているので、よりシステムをチームに落とし込むことができているんじゃないかと思います。その中で、選手それぞれの良さを出す余裕ができてきていると、プレーしていてすごく感じます」