殺虫成分を使わずに「蚊」を駆除? “殺さずに動きを止める”新技術を発表
日テレNEWS
梅雨に入り、今年も“蚊にさされる”ことが気になる季節になりました。そんな中、「蚊を殺さずに動きを止める」新技術が発表されました。 ◇ これからの時期、外で遊ぶのに無視できない虫は何か。東京都内の公園で聞きました。 「蚊がちょっと気になりますね、最近」 「やっぱり蚊が、虫刺されが嫌ですね」 今年も本格的な蚊の季節がやってきました。公園で遊ぶ前に子どもの腕に虫よけをつけていた母親は… 「ミストで子どもも自分でシュシュッとかけている」 20日の東京の最高気温は27℃。高温多湿を好む蚊が活発に動くのは25℃から30℃の間ということで、今がまさに注意が必要な時期なのです。 都内のドラッグストアには、かゆみ止めや虫よけがたくさん並んでいました。その中でも、去年と比べて、ある商品の売り上げが増えたといいます。 ウエルシア江東平野店 中山店長 「今年はコロナの外出制限もなくなったせいか、外出されるお客さまが多いので、ミストタイプ、スプレータイプの虫よけ製品がよく売れています」 家に置くタイプより、外出先で使うものが売れているということです。 ◇ 一方で、肌に直接スプレーすることを心配する人もいます。 母親 「ベビーカーに虫よけをつけています。直接スプレーだと不安なので、これなら肌に直接触れずに蚊よけできる」 殺虫成分をなるべく使いたくないという利用者もいました。 従来の殺虫剤や虫よけスプレーは、蚊の神経に働きかける成分があり、小さい子どもがいると使えなかったり、においが苦手だったりする人も多いといいます。 その心配を払拭する新しい蚊の対策が20日、花王から発表されました。“蚊を殺さずに動きを止める”新技術だというのです。 ケースに入った蚊にスプレーで液体を吹きかける実演では、ほとんどの蚊が飛べなくなって落ちてしまいました。なんとかこらえていた1匹も力尽きてしまいました。 また、液体を腕の一部に塗り蚊が300匹入ったケースに腕を入れると、蚊に刺されないどころか、肌に止まりさえしません。 花王 瀧澤浩之研究員 「何匹か(刺そうと)トライするが、刺せずに逃げて行ってしまう」 実は、この液体は蚊のはっ水効果をなくすものなのです。 血を吸うために近づいた蚊が液体に触れると足のはっ水効果がなくなり、肌にうまく着地できません。また羽にスプレーすると、羽のはっ水効果がなくなりぬれて飛べなくなるということです。 ――蚊はどういう気持ちに? 花王 瀧澤浩之研究員 「底なし沼に足を取られている感覚。それがこわいので、蚊は逃げ去っているのではないか」 この方法では殺虫成分を使わずに蚊の動きを止めるため、幅広い年代の人が安心して使えるということです。