奄美観光の国際化で提案 大島高英語部が講演 あまみならでは学舎
鹿児島県立奄美図書館の生涯学習講座「あまみならでは学舎」の2024年度第5回が5日、奄美市名瀬の同館研修室で開かれた。今回は県立大島高校英語部の部員13人が、国際化する奄美の観光をさらに盛り上げるための取り組みなどを提案した。 同校英語部は1、2年生計15人で活動。日ごろから英語ディベートやプレゼンテーションの練習を重ね、国際クルーズ船寄港時の通訳ボランティアなど実践を通してコミュニケーションスキルを磨いている。 講座では主に2年生が登壇。約40人が聴講した。探究活動で行った外国人観光客に対するアンケートや聞き取り調査を基に「英語表記が少なく情報が得られにくい」「交通手段の不足」などの課題を上げた。 部員らはこうした課題を踏まえ、国際的な観光の活性化を目指す企業「3Fカンパニー」(Fascinating=魅力的で、Foreigner=外国人に、Friendly=優しい)の設立を提案。具体的に▽英語表記の案内板の作成▽地図や歴史文化の情報が見られるアプリの開発・普及▽新たな移動手段として人力車を活用─などの計画を発表した。 プレゼン後は、参加者らが英会話に挑戦。道案内、お土産店、バス内、飲食店など場面ごとに外国人観光客との受け答えを想定して練習した。最後は意見交換もあり、参加者から「奄美でしかできない、高校生しかできない、という独自の形でPRしてほしい」などの声があった。 小林恵美子さん(73)=同市名瀬=は、「(生徒たちの活動は)素晴らしい。英会話に興味はあるが苦手だった。外国人観光客と対話ができるようになりたい」と話した。 英語部の部長(17)は「(参加者の意見が)参考になった。外国人観光客に奄美の伝統文化を十分に伝えきれていないと感じる。奄美を楽しんでいただけるような活動ができたら」と意欲を見せた。