名古屋難読地名の旅「母呂後」「通曲」読めますか?
愛知県名古屋市には、難しい読み方の地名がたくさん。そんな地名を探す旅「名古屋難読地名を楽しむ」は、市内をぐるっと回りながら4回目を迎えた。今回やってきたのは名古屋市南部。“難読地名の宝庫”ともいえる緑区と南区には、歴史を感じさせるものやユニークなものがいっぱい。さぁ、どんな読み方かを確かめるべく、さっそく出かけてみよう。
歴史を感じさせる難読地名がいっぱい
まずは1963年に愛知郡鳴海町が名古屋市と合併し、名古屋で14番目の区となった緑区から。その区名の通り、エリアには緑地が多く、また戦国時代に合戦の舞台となった「桶狭間(おけはざま)」や、旧東海道の宿場町である「有松(ありまつ)」など、歴史が薫るスポットも点在する。 緑区の中でも、「鳴海町(なるみちょう)」には難読地名が豊富だ。例えば鳴海町「杜若(かきつばた)」は、現在は商業地帯となっているが、かつてこのあたりにあった池にカキツバタが咲いていたから名づけられたという。なお、同じ愛知県の豊田市に「杜若高校」があるが、こちらは「とじゃく」と読む。 日本武尊を祭神とする成海神社がある鳴海町「乙子山」。「おつこやま」と読みたくなるが、正しくは「おとこやま」だ。同じく鳴海町「会下」は読めるだろうか?この地名は愛知県知多郡武豊町や埼玉県鴻巣市、三重県亀山市など複数で見られるが、鳴海町会下の場合は、近く瑞泉寺があることから、僧が修行する場所という意味の「会下」に由来していると考えられる。正解は「えげ」。
鳴海町にある緑区最難関の難読地名!?
鳴海町「母呂後」もユニークな地名と言えるだろう。読み方は「ほろご」。江戸時代には「ふろのうしろ」「ほろのうしろ」と呼ばれており、「ふろ」や「ほろ」は森のことを指したことから、近くにある諏訪社の森の後ろという意味だと推測される。 他にも鳴海町には、「伝治山(でんちやま)」、「姥子山(うばこやま)」、「前之輪(ぜんのわ)」と、ストレートには読ませてくれない地名が並ぶが、中でももっとも読み方が難しい地名と言えそうなのが鳴海町「通曲」かもしれない。 テニスコートやランニングコースを擁する「通曲公園」は区民の憩いの場所。地形に由来する説や、「鳥居」の意味が転じたとする説などが聞こえてくるが、正解は「とおりがね」。これを読めたらかなりの上級者と言えるだろう。