横浜DeNAベイスターズ・筒香嘉智の一年を総括 「完全復活」へ得た確信が「完全制覇」への道標に
筒香は自身のプレーだけでなく、野球界の未来も見据えている。12月には、昨年故郷の和歌山県橋本市に2億円の私費を投じて建設した天然芝の総合スポーツ施設「TSUTSUGO SPORTS ACADEMY」をはじめ、子ども達へのスポーツ指導のアップデートに取り組んでいる。それらが評価され、アスリートやスポーツに関する社会貢献活動の優れたロールモデルを表彰する「HEROs AWARD 2024」を受賞した。 来季開幕は3月28日の中日戦(横浜)。筒香は、そこでのスタメン出場に視線を定める。レギュラーシーズン中には年俸3億円分の“投資価値”があるのかどうかを議論する声も多かったが、日本一に大きく貢献し、結果で雰囲気を変えた。来季は6年ぶりに沖縄・宜野湾でのチームキャンプから参加し、万全の調整を経て開幕に臨める点も大きな後押しとなる。 「来年、リーグ優勝という形で恩返しをしたい」 パレードを一目見ようと集まった30万人のファンの姿に、筒香は改めてそう誓った。ベイスターズ入団当時、本拠地横浜スタジアムのスタンドは閑古鳥が鳴き、チームも長い低迷期にあった。苦しい時代を知る男は迎える33歳シーズンへ、並々ならぬ決意を抱く。筒香の「完全復活」がDeNAの「完全制覇」に向けて絶大な“補強”となるのは間違いない。そして、その道筋には確かな光が差している。
VictorySportsNews編集部