「井上拓真に勝つためにプロになった」 “初の世界挑戦”28歳・堤聖也の決意
七つの世界戦を盛り込んだ「プライムビデオボクシング10」という興行が10月13日、14日の2日間、東京の有明アリーナで催される。 【写真をみる】“尚弥のライバル”に名乗りを上げたのは?
「世界は必ず取ります」
初日のメインイベントはWBAバンタム級王者・井上拓真(28)の3度目の防衛戦で、同級3位・堤聖也(28)の挑戦を受ける。 堤とは聞き慣れぬ名だが、 「昨年12月、拓真の兄・尚弥(31)とタパレスの対戦の前座で、尚弥の愛称を冠した『モンスタートーナメント』というイベントの決勝戦が行われた。そこで優勝したのが堤で、賞金1000万円を獲得しました」 とスポーツライターが説明する。ただ、 「対戦相手が試合後に意識を失い、病院搬送。右硬膜下血腫で緊急手術を受けるも帰らぬ人となった。この一戦は後に年間最高試合に選ばれ、授賞式に登壇した堤は『悔やまれるのは、今日、(対戦相手と)一緒に居られなかったこと』とお悔やみを述べ、『世界は必ず取ります』と誓いました」 その堤にとって初めての世界挑戦が拓真戦である。 「同い年の二人は高校時代に対戦し、拓真が勝利。堤は“拓真に勝つためにプロになった”と言っています」
“尚弥のライバル”に名乗り
2日目のメインは、WBC同級王者・中谷潤人(26)がタイ人選手と拳を交える2度目の防衛戦だが、こちらも拓真と関係がある。 「昨年、米誌『ザ・リング』の年間最優秀KO賞を受賞した中谷は“ネクストモンスター”と呼ばれ、“モンスター”尚弥のライバルに名乗りを上げています」 今回、拓真と中谷が共に防衛を果たせば、 「次戦は両者の統一戦が行われる見込み。中谷が弟・拓真を倒したら、次はいよいよ兄・尚弥との対戦が現実味を帯びてきます」 ……と聞くと、1日目の堤戦も、次戦と目される中谷戦も、拓真が敵役に見えてくる。そもそも偉大な兄と比較されがちな拓真だが、 「現バンタム級王者は4人とも日本人ですが、技術力は拓真が図抜けており、4団体統一もあり得る。早晩、“じゃない方”扱いされることはなくなるでしょう」 「週刊新潮」2024年9月26日号 掲載
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