【オーストラリア】〔政治スポットライト〕オーカス閣僚級会議、豪英は2国間協定協議
英国ロンドンを訪問中のオーストラリアのマールズ副首相兼国防相は、ヒーリー英国防相、オースティン米国防長官と26日(オーストラリア東部時間)、豪米英の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」の閣僚級会議を開催した。オーストラリアと英国はその後別途、原子力潜水艦プロジェクトを優先的に推進するための2国間協定について協議する予定。原潜プロジェクトの進捗(しんちょく)に対する懸念払拭を図る狙いがあるとみられる。地元各紙が報じた。 同協定は2021年に締結された豪米英3カ国間のオーカス協定を補完するもの。原潜の引き渡しを目的とした豪英2国間の戦略・運用枠組みを新たに確立し、「オーカス(SSN-AUKUS)級」原潜の設計、建造、納入を加速させたい考え。英国防省は「向こう数十年間の防衛関係を規定するものになる」としている。 オーカス級原潜は英国の次世代の設計に基づき、米国の原子力技術やその他新技術を取り入れる。10年以内に製造が開始され、30年代末まで英国が保有、40年代初頭からオーストラリアが使用できるようになる見込み。一方、米国は30年代初頭に中古のバージニア級原潜2隻をオーストラリアに売却する予定。 今回の2国間協定についてオーストラリア政府は、協力内容の相違から、オーストラリアと米国、英国それぞれの間で確立が必要な法的枠組みも必然的に異なると説明している。先月には3カ国の相互情報共有を可能にする新たな3カ国協定が発表されていた。