「NARUTO」「ヒロアカ」「ガンダム」…日本アニメの「実写化」相次ぐ! ハリウッドが刮目「ONE PIECE」「SHOGUN」が打ち立てた“メガヒットの法則”
あの大人気マンガも続々「実写化」
なかでも現在、注目を集めているのが「実写化」というジャンルだ。これまでも日本のコンテンツが海外で実写化されたケースは少なくなかった。有名なところでは、トム・クルーズ主演「オール・ユー・ニード・イズ・キル」(14年)やスカーレット・ヨハンソン主演「ゴースト・イン・ザ・シェル」(17年)、ジェームス・キャメロン製作「アリータ:バトル・エンジェル」(19年)などが挙げられる。ただしヒットに恵まれたかといえば、そうでない作品も存在したのが現実だ。 ところが、そんな状況に変化が訪れている。転機となったのが、23年8月に配信がスタートしたNetflixシリーズの実写ドラマ「ONE PIECE」である。世界各国で話題となり、23年下半期のNetflixで「最も視聴された番組」に輝き、配信開始直後に“シーズン2”の制作決定が発表されるなど、異例の大成功を収めた。これを受け、マンガなど日本のコンテンツを実写映画・ドラマ化する流れが加速しているのだ。 実際、19年公開の「名探偵ピカチュウ」はすでに続編を制作中で、セガの人気ゲームタイトルから生まれた「ソニック・ザ・ムービー」は今冬に第3弾が公開される予定だ。他にも「NARUTO」や「僕のヒーローアカデミア」「進撃の巨人」といった人気漫画のほか、テレビアニメ「機動戦士ガンダム」に映画「君の名は。」、さらに一世を風靡したゲーム「ゼルダの伝説」なども制作に向け企画が動き出しているという。 これらの作品群を見ると、実写化の題材となるコンテンツ選びの傾向に“異変”が生じていることが分かる。
「鉄板アニメ」のポテンシャル
かつて海外マーケットの関心を惹く作品といえば、「攻殻機動隊」や「銃夢」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」といった“エッジ”の利いたSFモノか、あるいはニッチでマニアックな作品が好まれた。しかし今は「NARUTO」や「ヒロアカ」「進撃の巨人」「君の名は。」など実績に裏打ちされた“鉄板アニメ”が目立ち始めている。 日本アニメの人気が世界的にかつてないほど高まっているのは事実だが、それでも海外には日本ほどアニメが一般に受け入れられていないところも少なくなく、「大人はアニメを見ない」といった地域もいまだ存在する。それら“フロンティア”に対し、実写化が「世界への扉」となることを期待する声は多い。 一方で、この勢いは日本で制作したコンテンツが、海外市場で“台風の目”となり得る可能性も秘めている。Netflix の作品でもう一つ注目したいのは、23年下半期・総合ランキング(シリーズ)の「日本番組」で1位となった「幽☆遊☆白書」だ。制作したのは「ゴジラ-1.0」でもスポットライトが当たったROBOTである。 「幽☆遊☆白書」の“ブレイクスルー”のキーワードは「エンタメ作品」としての完成度の高さだが、「ゴジラ-1.0」も重いテーマを内包しながらも、目を見張るVFXを見どころとしたエンタメ化に成功。世界で愛されてきた「KAIJUゴジラ」のブランド力も相まって、アメリカで大ヒットを記録したのは周知の通りだ。