【ヒョンデ・アイオニック5長期レポート2】5Nと比較試乗。癒しカー対爆笑マシン!
ひと言で表すなら、アイオニック5は"癒しのクルマ"
ヒョンデ・アイオニック5を8月1日に長期レポート車として導入して、2か月以上が経過した。結論から書くと、クルマのデキのよさに感心している。ひと言で表すなら、アイオニック5は"癒しのクルマ"だ。 【写真】アイオニック5Nとアイオニック5を写真で比較する (36枚) まずデザインがいい。刺激的なデザインが多い昨今、フォルム自体はオーソドックスなハッチバックスタイルを採用。その一方でボディサイドにキックラインを入れたり、パラメトリックピクセルのモチーフを使用したりすることで凡庸に見せないのは、さすがはルーク・ドンカーヴォルケ氏が率いるデザインチームの仕事だと思う。 内装も、左右に伸びた大型ディスプレイ以外は、比較的シンプルな造形。パラメトリックピクセルのモチーフも、グレーオングレーでさりげなく使用している。快適な居住空間をテーマとしていて、電動リラクゼーションシートはレッグレストまで装備し、何度も休憩時に重宝させて頂いた。編集部オゴーに、「ヒライさん、家みたいに使っていますね」と笑われ、"ヒョンデ・ハウス"なるニックネームまで生まれたほどだ。 また室内V2L(ビークル・トゥ・ロード)も装備され、車内で電源を繋ぎ、PCを開いて作業をしたこともある。Bluetoothを介したスマートフォンとの接続もスムーズだし、アンドロイド・オートやアップル・カープレイも問題なく接続できた。他の機能はまだまだ使いこなせていない部分もあるが、夏場重宝したシートクーラーの存在も含めて、とにかく快適な空間という印象だ。
あまりに全開加速が凄すぎて爆笑
そして今回は話題のスポーツモデル、『アイオニック5N』との比較試乗を行うことができた。"N"はニュルブルクリンクと、ヒョンデのテストコースがある南陽(ナムヨン)の両方を意味。ヒョンデのスポーツモデルに与えられる称号で、本国では既に多くの車種に導入されている。日本ではこの5Nが第1弾で、先日、コナにNラインと呼ばれるスポーツトリムを備えたモデルも第2弾として登場した。 5Nはご覧のとおり、前後専用バンパー、リアスポイラー、21インチホイールと見るからにスポーティなアピアランス。しかしとんでもないのはパワーユニットで、609ps/740Nmものスペックを誇り、ステアリングにあるNグリンブーストと呼ばれるブーストボタンを押すと、10秒間だけ650ps/770Nmまでパワーアップ。0-100km/h加速は実に3.5秒で、ブーストすると3.4秒まで向上する。 ……と数字だけではピンとこないかもしれない。しかしこれまで、長年多くのスーパーカーを取材してきた私が、あまりに全開加速が凄すぎて爆笑した、と書けば伝わるだろうか。高速道路で一瞬試して、"わ、わ、わ、うわ~~!"と(たぶん実際に声も出ていたと思う)体感2秒くらいでアクセルを戻してしまった。 機能的に興味深いのは、NアクティブサウンドとN eシフトの組み合わせだろう。サウンドはイグニッション、エヴォリューション、スーパーソニックから選択可能。疑似的にシフトダウン、アップを演出することでサウンドが変化し、レッドゾーンに当たるところや、バックファイヤも再現していて、それを発見するたびに室内で爆笑してしまった。