八戸市民病院で一時全館停電 自家発電機の不具合原因か
28日午前7時半ごろ、八戸市立市民病院で全館停電が発生した。2時間半後に復旧し、停電中も一部の医療機器類は無停電電源装置で対応できたが、外来診療は終日、原則中止に。予定していた手術を延期するなど、医療提供に支障が生じた。病院側は自家発電機の不具合が原因と見ており、詳細な原因究明と再発防止に取り組む方針。水野豊院長は取材に「電源喪失は非常に大きな問題。患者につらい思いをさせてしまい申し訳ない」と陳謝した。29日は通常体制で診療する。 病院の電力は、東北電力の供給と全4基の発電機で賄っており、医療機器類には発電機の電力を充てる。 病院によると、停電時に2系統がダウン。約1時間後に東北電力が通電し、照明や一部コンセントが使用可能になった。同8時54分に発電機2基が回復、3基目が再稼働した同9時50分で完全復旧とした。 正午には、電子カルテなど診療に関わる機器類の動作確認を終了。救急患者の受け入れも再開した。ただ、不測の事態に備え、同日予定していた手術全16件は後日に延期、外来も緊急の薬の処方にとどめた。 停電を知らずに病院を訪れた患者やその家族は、困惑の表情を浮かべた。家族の付き添いで来院した市内の女性(69)は「電子カルテが使えなくて何もできないのだろう。具合の悪い人が気の毒だ」と患者を思いやった。定期検査と薬の処方を受ける予定だった市内の男性(76)は薬だけを受け取り、次回の診察日を予約して帰宅。「どうなることかと思ったが、薬をもらえたのでひとまず良かった」とほっとしていた。 病院では昨年8月に発電機全てが故障し、一時停電に陥った。今回も発電機の不具合が原因の可能性があり、水野院長は「2系統のどちらかに不具合が起きても問題ないよう、電力供給の仕方を検討したい」と改善を図る考えを示した。今明秀病院事業管理者も「今後このようなことのないよう、地域の中核病院として万全を期す」とのコメントを出した。
デーリー東北新聞社