歴史に残る一戦を見事に制したのは、世界に誇る日本のフラットランド界の神童である片桐悠【FLAT ARK 2023 in 阪神甲子園球場】
大会初の女子世界王者の座を獲得したのは若き実力者である本村果鈴。
一方で今回初開催となったWomen’s OPENには世界中から23名のトップライダーが出場し、決勝では予選を勝ち上がった8名により、大会初代世界王者の座を争う展開となった。そして今回の決勝進出者は全員日本人選手であり、改めて女子カテゴリーについても日本人のレベルの高さを感じさせる展開となった。なお競技フォーマットは120秒間のラン1本での戦いとなり、予選よりも30秒長い時間の中で自身のベストルーティンを多く見せていくことが勝敗を分ける焦点となった。 そんなハイレベルな戦いを制したのは本村果鈴。過去には「Chimera A-side Final」で優勝した経験もあり、弱冠13歳ながら世界最高レベルの実力を持つ彼女。長い手足を活かしたライディングから繰り広げられるのはリアとフロントの両方のトリックの数々。 この決勝ではリアタイヤを軸にしたバックスピンの切り返しから、フロントに軸を変えて「バックスピン」中にハンドルを半分ひねり、「エルクグライド」の体勢からバイクを跨ぎ、サドルを持ちツーフットでバランスを取り綺麗に最初のルーティンをまとめる。 次は自身が得意とする「ウィップラッシュ」を混ぜた「タービン」のルーティンから、クロスハンドでの「フロントスピン」を決めていくと「バリアル」でハンドルを戻し綺麗な「バックスピン」で収めてノーミスのランを展開。 前半戦をパーフェクトに決めたことから、余裕がある状態で挑む後半1分では、フロントの「バックスピン」の中で足をクロスさせて逆足でタイヤをスカッフさせてスピードをつける難しいトリックを決めてガッズポーズ。 またバックワーズでの「ウィップラッシュ」からのクロスフットの「バックスピン」などを丁寧に決めて見せた。ラストトリックは惜しくも転倒しメイクとはならなかったが終始ハイレベルなルーティンを見せたことで26.6ptをマークして優勝。念願のチャンピオン獲得に思わず涙を浮かべる姿も見せていた。 準優勝は優勝した本村と同じく13歳の梶原沙璃耶。フロントトリックのバリエーションの多さに定評がある彼女は、フロントタイヤを軸に「ピンキースクエーカー」で車体を左右の足で弾いていくルーティンを見せると、バックワーズで「ウィップラッシュ」を2回メイク。 ラストは中盤でミスをしてしまった「マックサークル」の中に「ハーフバースピン」を入れた後「ブーメランアウト」をするルーティンに2度トライするも、足をついてしまいメイクとはならなかった。しかしバリエーションとオリジナリティが評価され25.6ptという成績を残し2位の座を勝ち取った。 3位はここ最近更にメキメキと力を付けて頭角を表してきた印象のある14歳の清宗ゆい。フロントタイヤを軸にしたバックワーズのスピンのルーティンでライディングを始めると、「ウィップラッシュ」から「マックサークル」そして「ハングファイブ」の形に持っていく流れではミスするも、その後は「バックスピン」の中で足のポジションを変えたり、ハンドルの持ち手を変えるなど難しいポジションから「バックスピン」の派生トリックを決めるルーティンをしっかりメイク。 最後は高速バックスピンからダイレクトにツーフットの「ハーフパッカー」に入る高難度ムーブに3度トライするも足をついてしまい決め切ることはできなかったが、それでも24.8ptをマークした。もしこのトリックが決まっていれば更に順位を上げていただろう。
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