EUと南米、通商交渉でようやく原則合意-フランスはなお反対
(ブルームバーグ): 欧州連合(EU)と南米の関税同盟メルコスル(南部共同市場)は6日、フランスの強い反対を押し切り、長年交渉を続けてきた通商協定で原則合意にこぎ着けた。
EUの執行機関、欧州委員会のフォンデアライエン委員長はメルコスル首脳会議に出席するため加盟国のウルグアイを訪問していた。合意内容についてフランスのマクロン大統領は「受け入れられない」とフォンデアライエン氏に伝えていた。
20年以上にわたる交渉の末に成立した今回の合意は、中国との厳しい競争やトランプ次期米大統領による関税の脅威がある中で、EUとメルコスル双方にとって新たな市場を開拓するチャンスとなる。
フォンデアライエン氏は合意発表に際し、「欧州にとっての勝利だ」と述べ、「これは大きなビジネスチャンスを生み出すだろう」と期待を寄せた。
ただし批准への道のりは長い。発効すれば合わせて7億8000万人の消費者を抱える一大市場が誕生し、苦境に立たされているEUの製造業やメルコスルの広大な農業に活気を与えることになる。しかし、自国の農業への影響を懸念するフランスやポーランドを中心に幾つかのEU諸国は反対している。
原題:EU Reaches Long-Sought Mercosur Deal Over French Objections (1)(抜粋)
--取材協力:Samy Adghirni、Jorge Valero、Simone Iglesias、Alberto Nardelli、Richard Bravo、Dayanne Sousa、Clarice Couto、Natalia Ojewska、Katharina Rosskopf.
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Ken Parks