府中市の翁座で初の歌舞伎公演 国文化財の木造芝居小屋 中村勘九郎さんたち出演
広島県府中市上下町の国登録有形文化財の木造芝居小屋「翁座」で17日、歌舞伎公演があった。中村勘九郎さんや中村七之助さんたちが全国11カ所を回る特別公演の巡業先に選ばれた。 【写真】府中市の翁座で初の歌舞伎公演 公演は午前と午後の2回。「若鶴彩競廓景色(わかづるいろどりきそうさとげしき)」「舞鶴五條橋(ぶかくごじょうばし)」の2演目をそれぞれ披露し、観客から大きな拍手を受けた。 上演前にはトークコーナーもあった。午前の部で勘九郎さんは「観客との距離が近く小屋一帯が演劇空間になる」、七之助さんは「ここに来られて良かった」と話した。 翁座は1927年に開場し、映画館としても使われた。市によると、本格的な歌舞伎演目の上演は初めて。市などでつくる実行委員会が2公演で100席ずつ販売し、計2405件の応募があった。 東京都中央区から訪れた会社員新家美奈子さん(44)は「温かみのある会場で、一体感がとても良かった。次回があるなら友人を誘って来たい」と喜んでいた。
中国新聞社