知らぬ間に健康被害の恐れも…大手ショッピングサイトで流通する「ニセ浄水カートリッジ」見えてきた“販売丸投げ”の構図と中国の存在
■ピンク色に変わった水…カートリッジは“ニセ物”
取材班は実態を調査するため、浄水カートリッジを2つのネットショップから購入、正規品のメーカーに持ち込み、検査を依頼した。 “ニセ物”の場合はピンクに発色するという試薬を正規品のカートリッジを通した水と、ネットショップで購入したカートリッジを通した水にそれぞれ入れ、塩素を取り除くことができるか調べてみた。 リクシル担当者 「(正規品と持ち込み品それぞれ)遊離残留塩素に反応する試薬を入れます。」 ――色が変わってきましたね? リクシル担当者 「(ネットショップで購入したカートリッジは)水中にある遊離残留塩素に反応して、ピンクの発色をしています。正規品とは異なることが確認できます」 本物であれば、80%以上の塩素を除去できるというが、取材班がネットで購入したカートリッジの除去率は、わずか30%ほど。検査の結果、“ニセ物”と判明した。
■ “ニセ物”の芯材は樹脂?体に害を与える恐れも
さらに、別のネットショップで約3割引きで販売されていたカートリッジを切断して、水を通す内部の材質を調べてみた。 リクシル担当者 「正規品(JF-22)は芯材にセラミックが使われています。持ち込み品は樹脂だと思われますが、セラミックではない材質が使われています」 この商品もやはり、“ニセ物”だった。メーカーによると、本来の抗菌作用があるセラミックではなく、材質が不明な樹脂のようなものが使われていて、長期間使用した場合、体に害を与える恐れも否定できないという。
■「ニセ浄水カートリッジ」ショップの運営責任者を直撃
ネットで流通する「ニセ浄水カートリッジ」。取材班は、“ニセ物”を販売していたネットショップの運営責任者を訪ね、直接話を聞いた。 ――ご自身の名義で運営されているストアで、大手メーカーの正規品として売られている浄水カートリッジが“ニセ物”だったんです。 ショップの運営責任者 「あ、そうなんですか?それは全くもう想像もつかない。驚いていますね」 ――ご自身でショップを運営されている? ショップの運営責任者 「いや、違いますね。(ショップの)名義は自分ですけれども、仕入れとか販売は第三者、他人がやっている」 運営責任者の口から語られたのは「第三者」の存在。ショップの名義を見ず知らずの第三者に貸し、販売など全ての業務を任せていたという。 ショップの運営責任者 「(第三者とは)実際に会ったことも、電話したこともない。どういった人なのか、日本人なのかどうかもわからない」 そして取材後、男性は販売を停止した。