城彰二氏 日本、新システム手応えも気になる新戦力の乏しさ クロスに対してマーク外れる場面も
◇W杯北中米大会アジア2次予選B組 日本5―0シリア(2024年6月11日 エディオンピースウイング広島) 【城彰二 2次予選総括】日本は前半からやりたいことができていた。先制点はクロスから。2点目は後方から少ないパス回数で縦に攻めたもので、試した3―4―2―1の特徴を生かしていた。あとはプレッシャーがかかる中でどれだけできるかだ。後半から4バックに戻したが、相手に応じて併用する狙いだろう。 2次予選突破は決まっていたこともあり、森保監督は今月の2試合でさまざまなチャレンジをした。従来の3バックは両ウイングバックが下がり5人で守るイメージだったが、この試合は両ウイングに攻撃的な堂安と中村を入れた。最終予選は相手のレベルが上がり、この形で戦うことはないかもしれないが、点を取りにいく時には使えるオプションだ。三笘や伊東がいない中で、新しい形を探したのだと思う。 一方で守備ではクロスに対してマークが外れる場面があったのは気になった。相手に決定力のある選手がいると失点につながる。さらに、2次予選を通して新戦力と言えたのは中村ぐらいで、あとは既存の戦力。3―4―2―1なら両サイドから攻めて1トップでボールを受けられる選手が必要だが、上田以外は見当たらなかった。最終予選はタフな戦い。コンディションも重要になるだろう。 (元日本代表FW)