【Playback箱根駅伝】第10回/記念すべき最初の“節目”壮絶な明大・早大の優勝争いは8区の大逆転で明大がV2
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第10回箱根駅伝総合成績と区間賞一覧をチェック!
第10回(1929年/昭和4年)熾烈な明大・早大の争いは復路で大逆転劇
最初の“節目”となる10回目は、前回出場校のうち、関大を除いた9校が出場した。1区では東京高師の横川隆範が区間記録を2分27秒上回る区間賞。2位の中大に2分11秒差をつける独走劇だった。 2区以降は連覇を狙う明大と2年ぶりの優勝を目指す早大が激しく争う。1区を5位で終えた早大は窪田正克が区間2位と好走して先頭に立ち、明大も4位から2位に順位を上げた。 3区では明大の光田博が区間2位ながら従来の区間記録を更新する走りで早大を逆転。4区の小島道雄も区間賞を獲得してリードを1分6秒から1分54秒に広げた。5区では早大の藤木勲が力走。中距離選手ながらも箱根の山を力強く駆け上って明大を交わすと、トップで箱根郵便局前にフィニッシュ。前回9区区間賞の藤木が2年連続区間賞で2位の明大に3分13秒差をつけた。 早大は6区でも鈴木憲雄が区間新。明大との差を5分17秒に広げる。しかし、7区の角谷保次が区間6位と苦戦。それでも3分41秒のリードを保っていた。ところが8区で大逆転劇が起こる。明大の北角昌利が早大の久山猛を猛追。北角は遊行寺の坂で久山を追い詰めると、戸塚の松並木で引き離す。区間新記録をマークして早大に2分58秒差をつけた。 明大は9区の村上讃、10区の権泰夏も堅実な走りを見せて2年連続5回目の総合優勝を達成。総合記録は13時間32分50秒で、前年樹立した大会記録を22分以上も更新した。早大は2分26秒差で2年連続の2位。日本歯科医専は2年連続の最下位に終わったが、10区の鈴木喜政が1時間15分01秒の区間新記録をマークして意地を見せた。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
月陸編集部