宮城・石巻の旧丸光名物「白いたこ焼き」復活 元従業員が甘辛ソースの懐かしい味再現
宮城県石巻市中心部にあった丸光デパートで提供されていた「白いたこ焼き」が復活した。元従業員の石川洋子さん(62)=石巻市=が、同市不動町2丁目に専門店をオープンさせた。かつての客が連日、懐かしい味を求めて足を運んでいる。(石巻総局・松村真一郎) 【写真】石川さんが提供する白いたこ焼き 丸光は1996年まで、旧北上川沿いで営業していた。たこ焼きは地下1階の飲食店コーナーで販売。油の使用量を少なくして揚げ焼きしないことから外側が白く、秘伝のレシピで作る甘辛いソースが名物の味として親しまれていた。 石川さんは18歳から2年間、飲食店コーナーで働いた。たこ焼きは、週末には行列ができるほどの人気ぶりだった。 退職後も個人的にイベントなどに出店し、当時の味を再現したたこ焼きを提供すると毎回完売。時代を超えた人気を実感してきた。「小さい時に丸光で食べていたので懐かしい」と声をかけられることが多く、店を持ちたいと思い続けた。 10月下旬に、レジャー施設「プレナミヤギ」の一角に「キッチン! にじまる」を開店。たこ焼きは6個(550円)から20個(1500円)で販売し、6個と15個入りは丸光時代と同じく3個ずつを串に刺す。 市内の飲食店経営西川英貴さん(51)は「子どもの頃に親に連れられて食べた思い出がある。このソースが他にない味わいで、また食べることができてうれしい」と顔をほころばせた。 ボウリング場などが入る施設には、若い世代も訪れる。石川さんは「かつてのお客さんだけでなく、若い人にも親の代の人たちが食べた味に親しんでもらい『懐かしい味』を後世につないでいきたい」と話した。 午前11時~午後4時半ごろで、ソースがなくなり次第終了。月、火曜定休。連絡先は同店080(8218)1301。
河北新報