小島慶子「新年度から考える。もし不合格だったら? 〈親の関わり方が問われる中学受験〉」
40年前、私たちの親の時代には【子どもがいる世帯は7割】でした。ところが今は【子どもがいない世帯が6割】。社会は大きく変わっているはず? ……と思いきや、給料は上がらないのに物価は上がり、男女の賃金格差と雇用格差はあいかわらず。暗くならざるをえない状況だけど、どうしたら少しでも豊かな人生を送れるのか、家族や友人たちとどう楽しい時間を持てるのか、小島慶子さんと考えていく連載です。 【中学受験】合格のために両親が絶対に「やってはいけない事」と「やるべき事」
【小島慶子 明日の空模様】
新年度がスタートしました。さあ、今年はいよいよ子どもの中学受験のスタートだ!と腕まくりをしている人もいるでしょう。私の知人は、お子さんが小学校に入学する直前の3月から、早くも中学受験に向けて塾を調べ始めていました。 東京郊外の自然の中でターザンごっこをして育った私としては、貴重な子ども時代は是非、ダンゴムシを転がしたりしてぼーっとする時間を大事にしてあげて欲しいなーとも思うのだけど、今はそうもいかないのかな。 人は周囲に影響されるもの。子どものお友達が塾に通い始めたのを見て、我が子も!と中学受験させることにした人もいるでしょう。親の貢献度が問われる中学受験。仕事と両立できるだろうか、子どもの勉強のフォローをどうしよう、志望校は、学費は、いやその前に塾代が~~!と、みなさんお悩みです。 人さまの子と我が子をついつい比べてしまうことも。親自身が中学受験を経験していると、かつての成功体験やトラウマが蘇ります。絶対に失敗できないと緊張しますよね。 でも、どうかあまり思い詰めないで。人生は、中学受験では決まりません。大事なことなのでもう一度。中学受験で人生が決まるわけじゃありません! 大人になってから、誰も胸に「〇〇中高出身」なんて札はつけていません。出身校しか縋るもののない大人になったら、むしろ世界が狭まってしまいます。どこの学校を出たかを言わなくても「この人は聡明で信用できるな、一緒に仕事をしたいな」と思われる人になる方が、生きる上ではよほど大事なことです。