15日にオランダ下院選挙 反移民・反EUの極右「自由党」は躍進するか?
現時点で自由党の予想獲得議席数は25程度とされており、この数字が実現しただけでも、自由党にとっては大躍進となる。しかしオランダの下院の定数は150。アメリカのような二大政党制が存在しないオランダでは、いくつもの政党が乱立しており(今回の下院選に候補者を擁立した政党は28におよぶ)、今回の下院選挙でも30以上の議席を確保できる政党は出てこない見通しが強い。 小さな国土に様々なバックグラウンドを持つ人たちが暮らすオランダでは、議会の過半数を掌握できる政党が存在しないため、連立政権の組み方が、政策の実行においても大きなキーとなる。自由民主国民党や他の政党の多くは、政治的な考えの相違を理由に、自由党との連立はありえないとすでに公言している。投票直前に行われた連立政権に関する地元での予想によれば、ルッテ首相率いる自由民主国民党は左派政党として知られる緑の党を含む3つの政党と連立を構成する可能性が高く、その場合の下院における議席数は80近くにまで達する見込みだ。 自由党が最大の野党勢力となる見通しが高まってきたが、昨年のアメリカ大統領選挙のように、15日のオランダ下院選挙でも大きなサプライズは生まれるのだろうか。
------------------------------ ■仲野博文(なかの・ひろふみ) ジャーナリスト。1975年生まれ。アメリカの大学院でジャーナリズムを学んでいた2001年に同時多発テロを経験し、卒業後そのまま現地で報道の仕事に就く。10年近い海外滞在経験を活かして、欧米を中心とする海外ニュースの取材や解説を行う。ウェブサイト