酸味と甘みのバランスが絶妙の煮豆ヨーグルト…お手軽な亜鉛メニュー
伊藤清世の「あれ?コレ 介護食 plus」
1人分だけの介護食を作るって面倒、大変そう、というイメージはありませんか? かむ、のみ込む力が低下した方にも喜ばれ、ちょっとした工夫で家族みんなが食べられるおいしい食事を、在宅訪問管理栄養士で介護食アドバイザーの伊藤清世さんが提案します。 【写真】お手軽亜鉛メニュー「油揚げの卵とじ」
こんにちは、在宅訪問管理栄養士の伊藤清世です。 今回も亜鉛をとる工夫についてのお話です。 私は「亜鉛を含む食材をたくさん食べましょう」というよりも「少ない亜鉛の量でも積み重ねていきましょう」と提案したいと思っています。 例えば、おひたしにすりごまをかけてみる、かつお節をかけてみる……これだけでも昨日のおひたしよりも一歩進んだおひたしになります。そして、昨日とは違う味付けのおひたしが楽しめるようになります。 食事は薬ではありません。色々な味の組み合わせを楽しみながら栄養がとれるのが、食事です。 今回はデザートのレシピを紹介します。 乳製品にも亜鉛は含まれます。今回はギリシャヨーグルトを使用しています。ヨーグルトを水切りして製造するため、通常のヨーグルトよりも栄養素が凝縮しており、亜鉛を多く摂取することができます。スーパーなどで購入できます。今回は加糖の商品を使っています。加糖の商品がない場合はお好みで砂糖を加えてください。 煮豆とヨーグルトの組み合わせは、酸味と甘みのバランスが絶妙でくせになるおいしさです。きなこは青大豆、黄大豆どちらのものでも構いません。 しかし、なにかひとつの食品をたくさん食べれば健康になるわけではありません。ひとつの食品を食べ続けることにより健康障害が起こる場合もあります。亜鉛をとろうと意識するのではなく、毎日の食事を大切にすることで、自然と栄養バランスが整っていくのではないでしょうか。
伊藤清世(いとう きよ)
在宅訪問管理栄養士・介護食アドバイザー 委託給食会社で病院・高齢者施設・保育所等の調理業務、総合病院の管理栄養士を経て、現在は仙台市の「ないとうクリニック複合サービスセンター」で在宅訪問管理栄養士として活動中。また、地域での講演活動を通じ、かむ、のみ込む力が低下した方にも喜ばれる、食べやすくおいしい食事作りを提案している。