阪神・野村克則バッテリーコーチ 「チームが締まる捕手」を競争で育てる 捕手一人「もうそういう時代じゃない」
藤川球児監督(44)率いる新生阪神。コーチングスタッフも一新された中、インタビュー企画「新コーチに聞く」では野村克則バッテリーコーチ(51)が登場する。22年から2軍バッテリーコーチを務め、これまで楽天やヤクルトなど4球団でコーチを歴任。1軍での指導経験もある実績豊富な同コーチが意気込みを語った。 ◇ ◇ -藤川新体制の印象は。 「僕が1番上なんであれですけど、チームも若返ってね。また新しい風を吹かそうっていうところもあるし、今まで岡田監督がやってきたことを受け継ぎながらっていうところもあるし、藤川監督の考え方とかも加味しながら方向性を出してやっていくっていう感じ。印象的にはみんな若いし、元気。チームに活気があっていいかなと思う」 -受け継がれてる部分とは。 「守りのところとかじゃないかな。岡田監督、投手陣のことはすごい気にかけて、しっかり整備してやっていたと思うから。投手にもよく課題を与えてるような感じですけどね」 -今年、捕手は梅野と坂本を投手によって併用。1人の方がいいか。 「今はもうそういう時代じゃないんじゃないかな。僕らの時代でいったら、やっぱ古田さんがいて、谷繁さんがいて。野村克也(元)監督とも言ってましたけど、強いチームには強い、いい捕手がいるって。今は役割性、投手との相性とかっていうところを見たりとか、チーム的な相性ももちろんある。それはそれで悪いことではないと思うんで。ただ、やっぱり控えの捕手がたまに出るのと、古田さんがポンって出るのとではチームの締まり方が違ったから、これがレギュラーなのかなって。阪神で言えば坂本とか梅野とか出て、そういう雰囲気になっていれば全然いいと思うし。だから今は時代と言ったらあれだけど、どこも固定して捕手が出てるっていうところもないしね」 -中川は外野手に挑戦。 「捕手ってポジションは一つだから。今年も2軍で捕手5人抱えて、毎試合に出られない。そう考えたら、複数のポジションを守れたら試合に出るチャンスも出てくるし、有利なこともあるだろうし。そこはできないよりはできた方がいいかなと思うので。もちろん彼のバッティングを生かすためのことだろうと思うしね。捕手としての視野も広がる」 -梅野、坂本の中に1人でも割って入れるように。 「捕手は昔から言われてるように、時間のかかるポジション。この捕手が出てたら、全体的に締まるっていうのがあるから、レギュラー取ったら長いと思うんですよ。でもそこまでいくのに3年ぐらいはかかってしまうから、周りを見る力とか勝負どころの1球とか駆け引きとかっていうことを、出ながら覚えていくポジションやと思うんで。例えば優勝してね、最終的に評価されるのは捕手だと僕は思ってる。時間かかるでしょうけど、栄枝とか藤田も、いいもの持ってるし、いい競争になるんじゃないかなって、(1軍に)食い込んでいくね。面白いと思いますよ」 ◇野村 克則(のむら・かつのり)1973年7月23日生まれ、51歳。東京都出身。現役時代は右投げ右打ちの捕手。堀越から明大を経て、95年度ドラフト3位でヤクルト入団。現役時代の登録名はカツノリ(04年のみ本名)。00年に阪神移籍後、巨人、楽天でプレー。06年現役引退後は楽天、巨人、ヤクルトでバッテリーコーチなどを歴任。22年に阪神2軍バッテリーコーチ就任。NPB通算222試合で打率.185、4本塁打、17打点。父は故野村克也氏。