「遺体を取り違えて出棺する」ミスも…1兆円産業「葬儀業界」が抱える大きな課題
取り違えて出棺したミスも。人材不足が大きな課題に
葬儀のサービス力が上がるのは消費者にとって歓迎すべきもの。しかし、事業者側は人材不足に苦しむようになるでしょう。低単価で利益率が悪く、件数も多いのでれば、従業員は安く長く働くことにもなりかねません。そこにプランニング力が求められれば、専門的な知識や高度な提案力が求められます。企業は定着率を高める取り組みが欠かせません。 ティアは2024年3月に「ティア越谷」で男女2人の遺体を取り違えて出棺したミスが発覚し、大問題となりました。名札の確認ミスだったといいます。2023年4月にはティアのフランチャイズ加盟店の従業員が、香典袋に入っていた現金12万円を盗んだとして逮捕されています。このように未熟でプロ意識の低い人材が現場に立つことになれば、ミスや不祥事が目立つことになりかねません。 葬儀場の運営会社は、運営体制の効率化を進め、提案力を上げつつ低単価時代に備えるという難しいかじ取りが求められるようになりました。 <TEXT/不破聡> 【不破聡】 フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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