部長に昇進してからというものの、「残業続き」で睡眠不足です…。「寝不足」が原因で発症する病気にはどのようなものがありますか?
忙しい毎日を送っていると、睡眠時間が削られてしまい、朝起きてもすっきりしないことがないでしょうか。睡眠不足になると、疲れが取れないだけでなく、病気のリスクを高める可能性もあります。 そこで本記事では、睡眠不足による健康リスクを解説します。簡単にできる睡眠の質改善の方法も紹介するため、参考にしてみてください。
睡眠不足の人はどれくらいいるのか
厚生労働省による「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」によると、1日の平均睡眠時間は6時間以上~7時間未満と回答した人が最も多いとされています。男女共に約30%がこの回答に該当し、男性の30~50代では4割を超える結果です。 睡眠不足と聞くと、その原因は睡眠時間が短いことだと考える方が多いのではないでしょうか。しかし、実際には睡眠時間ではなく、睡眠の質が問題なのです。 先ほどの調査の結果にもあったように、日本人の睡眠時間は平均して7時間半程度です。しかし「十分な睡眠時間」というのは、人によって大きな差があります。なかには3、4時間の睡眠でも健康に問題のない「ショートスリーパー」もいれば、一方で睡眠時間を10時間ほど要する「ロングスリーパー」もいます。
睡眠不足にはどのようなリスクがあるのか
睡眠は、体力はもとより、脳の回復にも重要です。また、体の成長を促して、傷ついた細胞を修復する役割もあります。質の悪い睡眠や睡眠不足は健康リスクにも影響を及ぼし、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を引き起こす原因にもなるでしょう。 睡眠不足が生活習慣病を招く要因になるのは、いくつか理由があります。なかでも、慢性的な睡眠不足が日中の眠気や意欲低下・記憶力減退などの精神機能低下を引き起こし、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼすことが、さまざまな疾患につながっていると考えられているのです。 例えば、睡眠不足は食欲を抑えるホルモンの分泌を抑制する一方で、食欲を高めるホルモンを亢進(こうしん)させるといわれます。そのため、睡眠不足が1つの要因となり、肥満や糖尿病を引き起こす可能性があるのです。